CLフェイエノールト vs ラツィオでラツィオサポーターが現地観戦できなかった理由とは? 長く続くサポーター同士の衝突が要因か

写真:熱狂的なラツィオサポーター

現地時間10月25日、UEFAチャンピオンズリーグ(CL)のフェイエノールト vs ラツィオの試合が行われた。

試合はフェイエノールトのサンティアゴ・ヒメネスが先制点を奪うと、前半終了間際にラミズ・ゼルキも得点しフェイエノールトが2点リードで前半を折り返す。74分にヒメネスが再びゴールを沈め、点差を3点に広げる。対するラツィオは83分にPKを奪うとペドロがそのPKを決め、1点を返す。しかし反撃はこの1点に終わり、試合は3-1でフェイエノールトが勝利した。フェイエノールトの上田綺世は78分から途中出場、ラツィオの鎌田大地はベンチ入りするも出番はなかった。

この日、ラツィオサポーターはフェイエノールトの本拠地デ・カイプで行われる試合の観戦を禁止されていた。その理由を「フェイエノールトファンとイタリア人サポーターの間で長く続く衝突が要因」とイタリア『ガゼッタ・デッロ・スポルト』紙が報じている。

衝突の始まりは2015年2月、UEFAヨーロッパリーグ(EL)決勝トーナメント1回戦1stレグのローマ vs フェイエノールトの試合前にまでさかのぼる。フェイエノールトサポーターが暴動を起こし、ローマのナヴォーナ広場のバルカッチャの噴水を破壊。同じくローマの市内のスペイン広場では、武装警官隊と衝突し逮捕者が出た。翌週のフェイエノールトホームで行われた2ndレグでは、フェイエノールトサポーターが判定に抗議すべくピッチ内に様々なものを投げ込み、試合が15分にわたって中断されている。

2017年の9月には、CLのナポリ vs フェイエノールトの一戦があったが、この試合はフェイエノールトサポーターへのチケット販売が禁止されている。前述した2015年に起きたフェイエノールトサポーターによる暴動が要因とされる。両サポーターが相まみえることは公序良俗に対し大きな脅威になると判断されたのだ。

2022年5月、UEFAカンファレンスリーグ(ECL)決勝のローマ vs フェイエノールトの前日に再び事件が起きている。両チームのサポーターが試合会場となるアルバニアの首都ティラナで衝突。また、ローマサポーター200人の集団が警察官とも衝突したという。この一連の事件で60人が逮捕されたと報じられている。

今回の試合は、両サポーター、選手、地域住民などの安全面を考慮しラツィオサポーターへのチケット販売が禁止された。また、11月7日に予定されているスタディオ・オリンピコで行われるラツィオ vs フェイエノールトの試合も、イタリア内務省の命令によってアウェーチーム側へのチケット販売は禁止となる。UEFAはこれを「サポーター同士の事故リスクを回避できる」と支持している。

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