●県勢2投手指名 星稜高・武内は育成1位
プロ野球ドラフト会議は26日、都内で行われ、石川県勢2投手が千葉ロッテマリーンズから指名された。小松市出身で最速159キロを誇る大谷輝龍(ひかる)投手(23)=独立リーグ・富山GRNサンダーバーズ、右投げ右打ち、180センチ・81キロ=が2位、最速149キロの武内涼太投手(18)=星稜高3年、右投げ右打ち、184センチ・84キロ=が育成1位だった。
●勝負の年、夢つかみ「びっくり」
小松から羽ばたいた「オオタニサン」が夢をつかんだ。午後6時11分、名前が読み上げられると、高岡市の高岡商工ビルで見守った人々がどよめいた。「勝負の年だと思っていたが(上位指名で)びっくり」と大谷投手。両親には真っ先に電話し「うれしそうにおめでとうと言ってくれた」と喜びをかみしめた。
小松市月津小1年で野球を始め、南部中から小松大谷高に進学した。卒業後、社会人チームのJFE東日本、伏木海陸運送で2度の戦力外を味わった苦労人。今季から富山に加入し、エンゼルス大谷翔平選手と同じ背番号17をつけた。わずか1年足らずで最高球速が7キロアップ。常時150キロ台のストレートでスカウトに注目された。
●小松大谷から5人目
今季は14試合に登板し、防御率2.70。下位指名が有力視された中での2位指名は期待の高さを示す。独立リーグからの2位指名は歴代最高タイ。小松大谷高出身としては通算5人目の指名で、過去最高の順位となった。
小松大谷高の西野貴裕監督は「黙々と練習していた。肩と足は歴代部員で1番。苦しい時期もあったと思うが、夢がかなってうれしい」と話した。
高校時代は1学年下のヤクルト奥川恭伸投手(星稜高OB)と投げ合った大谷投手。「同じ石川出身で頑張りたい。でも対戦すれば負けたくない」とし「大谷翔平選手のような目標とされる選手になりたい。160キロは出したい」とほほ笑んだ。
●「早く支配下選手に」
武内投手が指名されたのは、大谷投手の指名から1時間半後の午後8時前だった。その後に学校を通して発表したコメントで武内投手は、ロッテに星稜高OBの岩下大輝投手(27)が在籍していることに触れ「すばらしい投手が多くいらっしゃいます。一日でも早く支配下選手になれるよう、頑張ってまいります」と入団の意志を表明した。