全日本バレーボール高校選手権大会(春の高校バレー)の県予選がまもなく始まる。男子は17チームが参加、ここではシード4校を紹介し、大会の戦い方を展望する。第1回は王者奪還を目指す別府鶴見丘だ。
2019年の県高校総体を最後に、タイトルから遠ざかっている別府鶴見丘。昨年11月に新チームになってから復権を目指し選手、監督一丸となり、殻を破るためにあがき続けてきた。その集大成であり、3年生にとっては最後の大会となる春の高校バレー県予選にかける思いは強い。
県高校総体が終わり、メンバー、ポジションともにチーム編成はガラリと変わった。中学時代に県選抜チームの一員として活躍した長身のミドルブロッカー佐藤亮介(1年)を筆頭に、下級生の台頭も目覚ましく、チーム内にはいい化学反応が起きている。選手たちと一緒に苦しいときを乗り越えてきた舞裕太監督は「スローガンは、明るく、爽やかに、強いチーム。どんなときも前向きに、人間性を兼ね備えた選手として結果を出してほしいという願いを込めている。時間はかかったが、ようやくスローガンに近い成長を実感できるようになった」と手応えを語った。
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新体制になっても根幹はこれまでと変わらない。目指すのは「大分県で一番ボールをつなげるチーム」。身長のある選手が少なく、攻撃力も決して高いとはいえない。だからこそ、ディグやレセプション、ブロックフォローなどつなぎのプレーを徹底して磨き、落とさないバレーで頂点を狙う。中核となるセッター遠々内慎(2年)もトス回しなど技術面で着実な成長を遂げており、チームは完成形に近づきつつある。練習試合で県外の格上のチームと対戦したことも大きなプラス材料となった。選手たちは自分たちの力不足を自覚し、変わるために奮起しているという。
1、2年生が成長しているとはいえ、チームをけん引するのはやはり3年生。キャプテンの嶋末蓮(3年)は「1年の頃から悔しい思いをしてきた。絶対に春高に出場するという強い気持ちを持って大会に臨みたい」。得点源として期待されるアウトサイドヒッターの安部日彩(3年)は「レシーブが乱れた時に自分に回ってくることが多いので、しっかり決めて、チームの流れを作りたい」と最後の大会に向け、意気込んでいる。チームを再編したことで不安定な部分も見られるが、1年生の台頭もあり、潜在能力は未知数。勢いに乗れば旋風を巻き起こす可能性は十分期待できる。
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(甲斐理恵)