まるで湿布を貼っているようだ。
大分市元町の国指定史跡「大分元町石仏」で、市教委が仏像の劣化を防ぐ作業をしている。岩から染み出す地下水に含まれる塩類を吸い取るため、肩や胸、脚などの表面を和紙で覆っている。
文化財課によると、保存作業は2年おきに、それぞれ2カ月かけて実施。今回は12月上旬まで続ける予定だ。
石仏は平安時代の作。軟らかい凝灰岩の崖面に薬師如来像などが刻まれ、覆い屋の中に鎮座している。
お参りに訪れた大分市上野丘西の秦(しん)昭二さん(65)は「日々の感謝を伝えるために毎日通っている。できるだけ長く、元の姿を保ってほしい」と手を合わせた。