少量の粉でも十分な抽出、1杯用のコーヒードリッパー 別府市の三洋産業、売れ行き好調【大分県】

売り上げが好調な「フラワードリッパー・ディープ27」と専用フィルター=別府市富士見町の三洋産業
9月に発売した「フラワードリッパー・ディープ27」を開発、販売する中塚茂次社長

 【別府】コーヒー関連製品メーカーの三洋産業(別府市富士見町、中塚茂次社長)の新商品「フラワードリッパー・ディープ27」の売れ行きが好調だ。消費者のニーズに応えた1杯用のドリッパーで、少量の粉でも十分に抽出ができるように形状を工夫した。現在、品薄となっており、中塚社長(63)は「国外からの問い合わせも多い」と、反響の大きさに驚いている。

 フラワードリッパー・ディープ27は、底部の角度が27度の円すい形。従来製品の約60度から極端に鋭角にし、高さ約11センチで2倍にした。

 コーヒーの粉の層を高くし、湯が粉に当たる時間を長くする構造を実現した。粉全体に均等に湯が行き渡り、コクのある味を抽出できる「画期的な形のドリッパー」(同社)と言う。

 同社は従来製品でハンドドリップをする際、中心から「の」の字を描くように外側に向かって湯を注いで抽出する透過法を推奨している。専門的な技術や道具がないと難易度が高い。

 新製品は上部の面積が小さいため、中心部に湯を注げば全体に広がりやすくなっている。初心者でも自宅で簡単においしいコーヒーを飲んでほしいという思いから、約5年をかけて開発した。

 8月に同社の交流サイト(SNS)で告知すると、注文が殺到。9月の発売から1週間で初期に生産した4千個を完売し、追加発注した4千個も予約で埋まった。国内からの反響が大き過ぎるため、取引のある約80カ国からの問い合わせは「順番待ちの状態」。現在も供給が追い付かないほどの人気ぶり。新たに8千個を準備し、随時販売を始める。

 中塚社長は「ドリッパーで入れたコーヒーを家族や友人ら大切な人と一緒に飲んでもらいたい」と話した。

 ドリッパーはクリア1320円、ブラック1430円。専用フィルターは1パック(100枚)550円。問い合わせは同社(0977.25.3464)。

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