カット野菜販売「フードニア」が竹田市に進出表明 旧宮城台小の建物など活用【大分県】

協定書に署名するフードニアの白井雄樹社長(左端)と土居昌弘市長(左から2人目)=竹田市役所
竹田市で収穫した野菜の1次処理事業で活用される旧宮城台小=竹田市炭竈

 【竹田】カット野菜販売の「フードニア」(大阪市・白井雄樹社長)は竹田市炭竈の旧宮城台小の建物や敷地を活用し、来春から同市で収穫作業や野菜の1次処理事業を始めると表明した。今後、現地法人のファーベル(仮称)を設立。当初は正社員5人とパート・アルバイト62人を地元を優先して採用し、将来的には200人規模の雇用を目指すという。

 フードニアは西日本を中心に、スーパーなど小売り向けのカット野菜販売を手がける。2017年ごろから同市菅生の農家からキャベツを仕入れたことなどが縁で今年5月、市側に進出を打診。産地からのアクセスがよく立地面で優れる同校(20年閉校)跡に拠点を構えることにした。

 事業は市内の生産者が育てたキャベツを収穫。加工室で芯の除去や分割する下処理作業を行い、福岡県の久留米、朝倉両市の自社工場に送る。グラウンドに加工室や貯蔵施設を新設し、体育館は管理事務所や従業員の休憩場、校舎は資材庫として使う予定。今後、野菜の品目を増やすことも視野に入れているという。

 同社と竹田市は23日、協力協定を締結。土居昌弘市長が「従事者の高齢化などにより基幹産業である農業の衰退が危惧されており、進出に期待している」とあいさつした。

 白井社長(36)は6年前に久留米工場を建てた際、天候不順で野菜が手に入らず困っていたところを竹田の生産者が助けてくれたことを紹介。「期待と責任を感じる。竹田と共存共栄を目指したい」と述べた。

 地元の宮城地区自治会長会の本田貴臣会長(69)は「まだ知らない住民もいるので、市と企業にしっかりとした説明を求めたい。進出の際は雇用を生み出し、地域活性化に貢献してほしい」と話した。

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