美しい里山に秋の風物詩 江戸時代から続く秋の風物詩「茅ボッチ」 日光市土呂部

 紅葉が進む山々に囲まれた、日光市土呂部の里山の草原に、江戸時代から続く秋の風物詩「茅ボッチ」が立ち並び、美しい里山の光景が広がっています。

 日光市土呂部では、刈り取ったススキやわらびなどを乾燥させるため円錐状に束ねた、高さ約1・5メートルの「茅ボッチ」を作っています。江戸時代から行われてきた秋の伝統的な作業です。

 乾燥させた「茅ボッチ」は、これまでは茅ぶき屋根に利用されてきましたが、今は牛や馬のエサに使われています。

 「土呂部の草原」は「全国草原の里市町村連絡協議会」の「未来に残したい草原の里100選」に選ばれています。

 近年、土呂部では牛を飼う人がほとんどいなくなったため、自然や里山景観の保全などに取り組んでいる、ボランティア団体「日光茅ボッチの会」が秋の風物詩を後世に残そうと、「茅ボッチ」づくりを毎年行っています。

 今年(2023年)は、県道沿いにある約1ヘクタールの草原の斜面に、9月末から1週間かけて、約200個をつくりました。四方を囲む山々で紅葉が見ごろを迎えている中、「茅ボッチ」は11月初旬まで乾燥させて、その後、回収するということです。

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