漁村留学に初めての小学生 共同生活しながら地域の人たちと交流 宮城・石巻市雄勝町

宮城県石巻市雄勝町で2022年から始まった、漁村留学です。都市部に住む子どもたちが1年間共同生活を送りながら地元の学校に通う取り組みで、2年目は2人の小学生が参加しています。雄勝に来て半年が経過しました。

8月28日、石巻市の雄勝小学校。神奈川県出身の小学4年生、池田小夏さんと東京都出身の小学5年生、森村咲紀さんです。
夏休みが終わり、この日、雄勝での2学期が始まりました。
東京都出身森村咲紀さん「久しぶりに会えたので、良かったです。運動会とかそういう行事が楽しみです」
神奈川県出身池田小夏さん「2学期は行事が多いから楽しみにしてきた。神楽をやるから神楽を頑張りたい」

池田小夏さん
森村咲紀さん

2人は4月から親元を離れ、雄勝町にある複合体験施設モリウミアスで共同生活を送っています。動物の世話、料理、洗濯、掃除に風呂たきなど全て自分たちで行います。
漁村留学を企画する公益社団法人モリウミアスは、都市部の子ども向けに2015年から短期滞在プログラムを実施していて、2022年から新たに1年間親元を離れて生活する漁村留学の取り組みを始めました。

2人は初めての小学生の参加者で、一緒に暮らす中学2年生の川村貴羽さんは留学2年目です。この日の夜は、咲紀さんはご飯炊き担当です。自分で細く割ったまきを使い、羽釜で炊きました。
東京都出身森村咲紀さん「湯気が熱かった」

小夏さんはおかず担当。調味料の配分も慣れた手付きで、鶏肉の甘露煮を作りました。
東京都出身森村咲紀さん「おいしい」
神奈川県出身池田小夏さん「うん、おいしいです」

雄勝町で初めての運動会

7日、雄勝で迎えた初めての運動会。全校児童が21人の雄勝小学校。咲紀さんは白組、小夏さんは赤組に分かれて競技に挑みました。
神奈川県出身池田小夏さん「人数少ないし、たくさん出られるから楽しい」

運動会では、地元住民との交流も大切にしています。応援に来ていた住民たちも玉入れに参加して盛り上げました。
東京都出身森村咲紀さん「(赤組に)負けちゃったけど、みんなで全力を出してやってきたので良かったです」
神奈川県出身池田小夏さん「雄勝に来る前は(神奈川の)地域の人とかは(運動会に)来てなかったから、みんなが応援にして来てくれてうれしいです」

運動会の2日後。小夏さんと咲紀さんは、貴羽さんとモリウミアス近くの桑浜地区に向かいました。小夏さんと咲紀さんにとって、待ちに待った初めての民泊です。
桑浜地区に住む永沼由紀子さんが、手作りのマツタケご飯や刺身、エビやホタテのフライなどを振る舞います。
永沼由紀子さん「ご飯食べなくちゃ駄目だからね。ご飯食べなさいよ」
東京都出身森村咲紀さん「ありがとうございます。あ、おいしいホタテ」
神奈川県出身池田小夏さん「何かホタテは咲紀ちゃん嫌いなんですよ」
永沼由紀子さん「本当?」
東京都出身森村咲紀さん「おいしいです」

初めての民泊

震災前には4000人だった人口が、1000人にまで減少した雄勝町。過疎化と高齢化が進む地域の人との交流は、漁村留学の目的の1つです。
永沼由紀子さん「もう情が湧いていつ見ても声を掛けたい。今頃、何してるかなっていうような、もう孫と同じですね。家族、ここに来れば家族ですよみんなね」

19日。この日の5時間目は、雄勝町伝統の踊り雄勝法印神楽の授業です。4月から半年間、地元の保存会の指導の下で2人は神楽を学んできました。
28日の学習総合発表会で、両親や地元住民たちの前で神楽を披露する予定です。
神奈川県出身池田小夏さん「結構覚えられたので、間違わないでしたいです」
東京都出身森村咲紀さん「お母さんとか地域の人とかに、あの子うまいなって思ってほしいです」

© 株式会社東日本放送