地域で防災マップづくり 長崎・戸石小育友会とゼンリンが共同企画

危険箇所を話し合う参加者=長崎市戸石町、たちばな漁協本所

 地域住民の防災意識を高めようと、長崎市立戸石小の児童や保護者らが21日、同市戸石町のたちばな漁協本所で、地域の自主防災マップづくりに取り組んだ。
 同校の育友会と地図大手のゼンリン(北九州市)の共同企画。小中学生と保護者、地区の消防団員、地域住民約50人が参加した。
 参加者は自宅がある地区ごとに七つのグループに分かれ、長崎市のハザードマップを基に生活の中で気付いた危険箇所を出し合い、地図に書き込んだ。完成後、グループごとに発表し「避難所までの経路が危ない」「水路に草が生えてしまっている」など情報共有した。
 小学3年生の娘と参加した松尾須美子さん(47)は「日頃車移動で、実は地域のことを知らなかった。当たり前だった道路の段差なども、共有すれば危険だと分かり新たな気付きがあった」、同校6年の宮副翼君(12)は「近くの山やがけなど知っていたことを伝えた。(地図ができて)こんなに危険な場所が多いんだと実感して防災意識が高まった」と語った。
 ゼンリンICT事業本部ICT公共企画部の浅野大輔課長は「参加者の発言が多く、地域の関心の高さを実感した。公共の情報を頼り切るのではなく、地域みんなで協力して助け合えるコミュニティーができればうれしい」と期待した。

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