外国の視察団が大田区の小中学校を訪れ研修

今月、大田区にある小中学校に海外の教育関係者が参加した視察団が訪れました。視察団は日本式の教育のどんな部分に関心を示したのでしょうか?

大田区の小学校で行われた英語の授業。教室の後ろで見学していたのは、海外からの視察団です。マレーシアやモンゴル、マダガスカルなどから日本にやってきました。その目的は…

マダガスカルの視察員:「日本の教育を学び、それを私の国、マダガスカルの状況と比較し、日本の教育方法がマダガスカルにも適応できる所があるかを探しに来ています」

日本の教育から学びたいと研修にきたといいます。そのため、中には授業の様子を熱心にメモする人の姿も。さらに、エジプトの教育関係者が興味津々で撮影していたのは、給食の配膳の様子です。生徒自らが配るのは海外の人にとって珍しい光景のようです。

マレーシアの視察員:「(マレーシアは)様々な人種やバックグラウンドを持つ、多くの生徒がいます。それぞれの文化が違うので、彼らは家庭から異なる食べ物を持ち込んでいます。(Q:昼食の様子をみてどうでしたか?)一緒に食事の準備をし、一緒に食事をすることで、生徒たちの間に団結力や協調性を育む、温かな文化が形成されていると思います」

南アフリカの視察員:「(自分の国では)生徒はやりません。(Q:どちらの方がいいと思いますか?)日本ですね、生徒がお互いのために動くことで、社会性が養われると思うからです」

続いて向かったのは大森第一中学校。すると、校内放送が流れ、避難訓練が始まりました。生徒たちが移動を始めると、視察団も一緒に避難先に向かいます。統率のとれた避難訓練の様子を間近で見て、教育関係者たちは感心していました。

エジプト視察員:「エジプトでも避難訓練はありますが、それほど細かく計画されていません。避難の準備の大切さや、静かに前の人を押さずに避難することを学びました」

給食に避難訓練。日本の教育現場を見た視察団からは…

マレーシアの視察員:「視察は大変有意義でした。日本の学校システムで子どもたちがどのように教えられているのかを実際に見ることができ、貴重な経験となりました。全体的にとてもよく計画されていて、みんながお互いを尊重していることが感じられました」

マダガスカルの視察員:「今日はとても面白かった。たくさん学びました。国に帰ってから教育の質を上げたり、先生にもトレーニングを受けていただこうと思っています」

ここからは取材した曹記者と一緒にお伝えします。今回、視察団からは日本の教育についてどんな声がありましたか?

曹記者:「海外の教育関係者たちは、日本の教育について知識と人間性、両方に手厚い印象をもったようです。授業でしっかり知識を伝えるだけでなく、生徒が給食を配ることやクラブ活動などを通じて、協調性も養う教育方法にみなさん感心していました」

曹記者は中国出身ですが、中国との違いはどうですか?

曹記者:「中国は地域によってバラツキがありますが、私が通っていた小中学校では学問の勉強に圧倒的に力を入れていて、取材した学校と比べて部活動のようなものに割く時間は少なかったように感じます。その背景には中国の厳しい競争社会があると思います」

日本の教育現場で気になることはありましたか?

曹記者:「給食の時、多くの生徒が同じものを食べるのは気になりました。マレーシアでは、様々な背景の子どもたちがそれぞれ食べ物を選べるようになっているようです。私が通っていた中国の学校もそうでした。日本はこれからグローバル化が進むと、優れた日本の給食という形も変化を求められるかもしれません」

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