4年ぶりに赤獅子巡行 久敬社塾生手作り、かけ声響く

住宅街を巡る手作りの1番曳山「赤獅子」=神奈川県川崎市

 神奈川県川崎市で22日、関東に進学した唐津市出身の学生を中心に受け入れている寮「久敬社塾」(同市)の塾生が手作りした、唐津くんちの1番曳山(やま)「赤獅子」が住宅地を巡った。新型コロナ禍を経て4年ぶりの巡行とあって、鳴り響く祭りばやしに地域住民らの笑みがこぼれた。

 赤獅子の巡行は、唐津くんちの時期に地元に戻れない塾生にも祭りの魅力を体験してもらおうと、半世紀以上前から地元自治会と協力して実施している。

 法被姿で鉢巻きを締めた塾生らが本物さながらに曳山の上に乗り、地域の子どもたちと共に「エンヤ、エンヤ」のかけ声で曳山を引いた。約2時間かけて住宅街の路地を巡り、カーブミラーに当たらないよう、何度も切り返し、難所を越えていく場面もあった。

 久敬社塾に女子学生が入るようになってからは初めての開催で、塾生たちは本番に向けて週3日、おはやしなどの練習に打ち込んできた。玄海町出身の大学2年生岩下花舞さん(20)は「地域の子どもたちも楽しみにしてくれていた。やれてよかった」と曳き子デビューを喜んだ。(大橋諒)

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