薬師丸ひろ子が「食彩の王国」放送1000回記念SPで京都・伊根へ。アオリイカ釣りに挑戦

テレビ朝日系でオンエア中の「食彩の王国」(土曜午前9:30。一部地域を除く)が、10月28日で放送1000回を迎える。これを記念して「薬師丸ひろ子が行く!もてなし宿の食材物語~地産地消の“食”がつなぐ地域の絆~」と題し、京都・伊根の旅を2週連続で届ける。

「食彩の王国」は、2003年10月の放送開始以来、日本の食を守るべくさまざまな取り組みに挑む人々の思いに寄り添い、奥深い“食材の世界”をひもといてきた。今年は放送20周年というアニバーサリーイヤーだ。

遠方から大切な客人が訪れた時、手間ひまかけた郷土料理でもてなすのが日本の心。1000回記念スペシャル企画では、その心づくしの料理を見つめることで、食材を生み出す人のドラマ、さらにはその背景にある風土や豊かな食文化を浮き彫りにしていく。03年のスタート時から番組の語りを務めてきた薬師丸ひろ子が、“海の京都”といわれる伊根町を訪れ、もてなし宿のこだわり食材を生み出す人々と出会う。

伊根は、京都北部、日本三景の天橋立から車で約30分のところにある半農半漁の小さな町。穏やかな伊根湾には、船揚げ場と住居が一体となった風情ある“舟屋”が約230軒も連なり、重要伝統的建造物群保存地区に選定されている。薬師丸が、そんな舟屋を生かした1日1組限定の漁業体験型民宿「鍵屋」を訪ねる。

到着早々、「食材は目の前にありますよ!」と「鍵屋」主人・鍵賢吾氏が宿の前の海で釣った旬のアオリイカを見せる。このアオリイカをはじめ、宿の食材の中心は京丹後沖でとれる新鮮な魚介だ。今回、薬師丸は自らアオリイカを釣り上げて実食。加えて、鍵氏が“丹後ぐじ”としてブランド化されている甘鯛も繊細な和食に仕立てる。

さらに、魚介だけではなく、「鍵屋」自慢の茶碗蒸しや郷土料理“煮ぐい”(魚のすき焼き風鍋)に欠かせないのが卵。薬師丸は、伊根町の山間で約2000羽を“平飼い”で育てている「三野養鶏」を取材。新鮮な卵を使って、郷土料理“丹後ばら寿司”などをふるまってもらう。

「鍵屋」では調味料にもこだわっており、後編(11月4日放送)では、鍵氏が料理に使用する清酒を仕入れている1754年創業の酒蔵・向井酒造を訪問。14代目の杜氏・向井久仁子氏は、自家栽培の古代米ともち米をブレンドして仕込んだ、海外の有名レストランでも注文が殺到する薄紅色の“日本酒のロゼ”と呼ばれる新酒「伊根満開」を開発した人物だ。

また、薬師丸は、今春に鍵夫妻がオープンした新施設「おふくわけ」にも足を運ぶ。この施設のコンセプトは、さまざまな料理人とコラボレーションして伊根の食材を使った新しい“食”を発信すること。その趣旨に賛同したのが、京都出身のイタリアンの匠・福村賢一シェフだ。番組の終盤は“伊根の食材の魅力がつまった1皿”をテーマに、福村シェフがアオリイカと「三野養鶏」の卵を使って新作パスタ“イカルボナーラ”を作る。

伊根町への旅を終えた薬師丸は「『海の京都』と呼ばれる丹後半島の伊根の舟屋の景観は美しく、今回お訪ねした『鍵屋』は目の前の海が透き通っていて、魚が泳いでいるのが見られました。宿の前で釣りもできるというので、私もアオリイカ釣りに挑戦しました。餌木を投げてリズムをつけて巻き取ると、何やら重くなった感触があり…釣れました! ビギナーズ・ラックです」と、アオリイカが釣れた瞬間を臨場感たっぷりに振り返った。

続けて「透き通る身と、グリーンの目が印象的なアオリイカ。早速、宿の御主人がその場でさばいて刺身にしてくださり、コリッとした歯応えで、ほのかな甘みがあり、自分で釣った手応えとともに、忘れられない味になりました。旬を迎えた甘鯛も、そのほかの料理もすべて手作り。食材の持ち味を引き出し、料理でもてなす心配りに感服しました。卵の養鶏場や、女性杜氏の醸造元にもお邪魔しましたが、家族経営で、楽しそうに家業に取り組む姿に感動しました」と出会った人々を称賛し、「食材や料理にかける手間ひまが、もてなしの心。これからも、食材の向こうにいる生産者の心を大切にしていきたいと思いました」と、引き続き真摯(しんし)に番組に携わる決意を新にした。

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