自動車運転者雇用の52事業場、法令違反 22年監督指導・山形労働局

 山形労働局は26日、トラック、バス、タクシーなど自動車運転者を使用する事業場に対する2022年の監督指導の結果を発表した。労働基準関係法令違反は52事業場で、主な内容は労働時間や割増賃金の支払いなど。長時間労働是正などのために国が定める改善基準告示の違反は、25事業場で確認された。

 監督指導を行ったのは68事業場で、業種別はトラックが55、バスが1、ハイヤー・タクシーが9、その他が3。法令違反の内訳は、労働時間が17件、割増賃金の支払いが11件、最低賃金が4件など。改善基準告示違反の事項別は、最大拘束時間が17件、連続運転時間が11件、総拘束時間が8件などとなった。

 具体的には、トラック運転者に関し、改善基準告示で定める1カ月の総拘束時間の上限320時間、1日の上限16時間を超える事例があり、指導後は業務配分の調整などが行われた。タクシー業者では、支給割合が段階的に上がることで長時間労働を誘発する恐れのある「累進歩合給」の廃止を指導した例があった。

 同局監督課は「人手不足の影響などで長時間労働が多くなっている」と分析。トラック事業者では、荷主の都合による長時間の荷待ちも要因とし、自動車運転者を使用する事業所だけではなく、荷主企業などにも協力を呼びかけている。

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