対TAKISAWA TOB成立へ ニデック、応募株式81%超

 モーター大手のニデック(旧日本電産、京都市)は27日、工作機械メーカーのTAKISAWA(岡山市北区撫川)に対する株式公開買い付け(TOB)が成立する見通しになったと発表した。午後3時半時点で、応募株式数が議決権ベースで81.65%(521万6015株)に達した。TAKISAWAはTOBに同意しており、決済開始日の11月20日付でニデックの子会社となる。

 ニデックは、工作機械の中でも自動車など幅広い分野で使われ、市場規模の大きい旋盤を製造するTAKISAWAを傘下に収めるため、9月14日から1株2600円の買い付け価格でTOBを開始。同社の発行済み株式のうち自己株式を除く全株式の50%(319万3900株)以上の応募を目標としていた。

 この日、さらに応募を促す目的で買い付け期間を当初の10月27日から11月13日までに延長した。最終的に完全子会社化する方針で、今後TAKISAWAに臨時株主総会の開催を要請し、応募しなかった株主の持ち分を買い取るための売り渡し請求や株式併合を付議することも予定している。買収総額は最大166億円に上る見込み。同社は来年2月にも東京証券市場スタンダード市場から上場廃止となる。

 TAKISAWAは顧客層拡大や開発力強化などにつながるとしてTOBを受け入れ、株主に応募を推奨していた。子会社化後の経営体制は未定。ニデックは「両社の企業価値を向上させるため誠実に協議を進める」としている。

 ニデックは東証プライム上場、1973年設立、資本金877億8400万円、連結売上高2兆2428億2400万円(2023年3月期)、グループ従業員約10万6千人。電気自動車向けモーターなどを製造し、工作機械事業には21年に参入した。

 TAKISAWAは1922年創業、44年設立、資本金23億1902万円、連結売上高279億9400万円(同)、グループ従業員約750人。

TAKISAWA本社

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