10月27日、三重県の鈴鹿サーキットで全日本スーパーフォーミュラ選手戦第8・9戦を前にした金曜フリー走行（専有走行）が行われ、シリーズ3連覇を目指す野尻智紀（TEAM MUGEN）がトップタイムをマークし、レースウイークをスタートさせた。
富士スピードウェイでの連戦から始まった2023年のスーパーフォーミュラも、いよいよ大詰め。ここまで7戦ですべての勝利を分け合っているランキングトップ3名が自力タイトルの可能性を残して、最終決戦を迎えた。
タイトル争いは宮田莉朋（VANTELIN TEAM TOM’S）が94ポイント、リアム・ローソン（TEAM MUGEN）が86ポイント、野尻智紀（TEAM MUGEN）が84ポイントという状況。今回は土曜・日曜にそれぞれ予選・決勝が行われる“1ウイーク2レース制”で争われるため、予選含め最大46ポイントを獲得することが可能だ。
今大会は山本尚貴がスーパーGTでの負傷の影響で欠場。代わって大津弘樹がTCS NAKAJIMA RACINGの64号車から参戦する。また、これまでTGM Grand Prixの53号車をドライブしてきた大湯都史樹が、最終ラウンド直前で欠場を発表。53号車には大草りきが乗り込むこととなった。
最終ラウンドの週末、唯一のプラクティスとなる90分間のフリー走行は晴れ空の下、14時にスタート。気温は24度、路面温度は36度というコンディションだ。
序盤、まずは大嶋和也（docomo business ROOKIE）がトップタイムをマークし、各車はピットインも交えながら周回を重ねていく。
14時10分、小高一斗（KONDO RACING）が1コーナーでリヤからバリアへとクラッシュしたため、赤旗が提示される。小高自身はマシンから歩いて降りたものの、マシンのリヤにはダメージがありそうだ。
小高のマシンを回収後、14時20分にセッションは再開となるが、すぐに再度赤旗に。NISSINブレーキヘアピン入口でのデブリ回収の後、再開となる。
ここで各社は最初の本格的なアタックを行ったようで、続々とタイムが更新。宮田が1分41秒325でトップに立つが、これを山下健太（KONDO RACING）、国本雄資（Kids com Team KCMG）が塗り替えていき、さらに大嶋が1分40秒386と40秒台前半に入れていく。
セッション中盤に入ると、佐藤蓮（TCS NAKAJIMA RACING）が1分40秒261までタイムを縮めて首位に立つ。
残り20分ほどのところからニュータイヤでのアタックが始まった模様で、まずは大嶋が佐藤の全体ベストを塗り替えると、続いて国本が1分39秒台に入れていく。さらに牧野任祐（DOCOMO TEAM DANDELION RACING）、宮田、笹原右京（VANTELIN TEAM TOM’S）も上位へと進出するなか、残り10分を切ったタイミングで佐藤がさらにタイムを縮め、1分39秒429と一気に全体ベストを0.5秒ほど縮める好タイムを記録した。
すると直後にチームメイトの大津がわずかに佐藤のタイムを上回り、この時点でTCS NAKAJIMA RACINGのワン・ツーとなる。
残り5分、各車は最後のアタックシミュレーションへ向かい、続々とタイムが更新される。
ここで野尻はセクター1、2で全体ベストをつけながらアタックを敢行、1分38秒895という最速タイムを記録してタイミングモニター最上段に躍り出た。直後、ローソンが1分39秒189で2番手に続くが、ここへ坪井翔（P.MU/CERUMO・INGING）が割って入り2番手に。
さらにランキングリーダーの宮田もタイムを削って1分39秒125を記録したところで上位勢は決着。野尻がトップタイム、2番手に宮田、以下坪井、ローソン、太田格之進（DOCOMO TEAM DANDELION RACING）、山下と続くトップ6のオーダーとなった。
代役参戦の大津は8番手。このセッションがスーパーフォーミュラデビューとなった大草は、1分40秒016を記録し17番手でセッションを終えている。
明日28日（土曜）は9時30分から第8戦予選が行われ、14時30分から31周（または75分）の第8戦決勝がスタートする予定だ。
