柳美稀、令和版『西遊記』はニッコニコの笑顔で「良かったよ」と言ってもらえる舞台

「日本テレビ開局70年記念舞台」として令和版『西遊記』が誕生する。1978年に「日本テレビ開局25年記念番組」として制作され、一世を風靡した人気ドラマを45年の時を経て、新たに令和版の「日本テレビ開局70年記念舞台」として企画し、大型アクションスペクタクルを創作する。

主演の孫悟空は片岡愛之助、三蔵法師は小池徹平、猪八戒は戸次重幸、沙悟浄役は加藤和樹、玉竜には村井良大という豪華メンバーが集結した。
また、三蔵一行が立ち寄る是空国の国王・牛魔王に松平健、その妻・鉄扇公主に中山美穂。2人の息子・紅孩児は藤岡真威人が演じる。
さらに、行く手に立ちはだかる妖怪・金角に藤本隆宏、弟・銀角に山口馬木也、神仙の祖となる仙人の鎮元子に田村心、三蔵一行と関わる青年・高伯欽と天上界の玉帝に曽田陵介、伯欽の妹・高翠蘭に柳美稀、牛魔王配下の三大仙、虎力大仙を小宮璃央、鹿力大仙を押田岳、羊力大仙を桜庭大翔が演じる。演出は堤幸彦が担当する。
ベテランから若手まで様々なジャンルで活躍する俳優陣が勢揃いし、令和版『西遊記』が大阪で11月3日に開幕、全国4カ所で上演される。
編集部では、高翠蘭を演じる柳美稀に令和版『西遊記』の見どころなど話を聞いた。

――意気込みを聞かせてください
これだけ多くの名だたるメンバーが出演する舞台で、しかも70年記念ということで70公演あるので、これだけの長期間で、博多座だったり明治座だったり‥歴史のある会場でやらせてもらうので、ご覧になった方に「あの娘面白かったね」って言ってもらえるように皆さんの面白いお芝居に必死にしがみついていきます。

――始まりは11月3日ってすぐじゃないですか?
もう来週ですね、怖いです!(笑)今は通し稽古を本番と同じ長さでやってる状況です。

――全体の見どころと、柳さん演じる高翠蘭の見どころは?
全体の見どころは、堤さんの舞台ではよくあるそうなんですけど、舞台全体にLEDを使った演出で、さらに映像も使い舞台に奥行きも出るんですよ。役者さんの動きプラス映像と、堤さんならではの舞台で本当に派手で壮大なものすごく面白い舞台で、純粋に楽しんでいただけると思います。
高翠蘭としては、簡単に言えば「喋らなければ可愛い」と言われているキャラクター(笑)なんですけど、喋ったら「あっこの子は性格が悪い」って 一瞬で分かる 感じの子で、清々しいレベルの性格の悪さが見どころの一つでもあります。一周まわって好きになってもらえるような、もう演じいて楽しくてしょうがないです(笑)

――そんな「清々しいレベル」の性格の悪さを演じるにあたって意識したことは?
台本を読んだ段階で、この役は面白い役、お客さんに笑ってもらえるおいしい役どころだなって感じたんです。考えすぎると力が入ってうまく表現できなくなると思ったので、高翠蘭に関してはセリフを台本通りまっすぐ受け止めようと 考えました。やっぱり芯があって自分の思ったことを伝える女の子なので、そのまま伝えることを意識して、相手に言われて思ったことイラっとしたことを言われたら、そのままイラっとしたことを返すという、私そのままの感情を出すことを意識しました。

――70公演を行う舞台ですよね、体力づくり的なことは?
稽古が始まる前はジムにけっこう通いました。持久力をつけないとって思って、70公演は未知なので‥しかも、福岡公演が終わったら1か月 空くんですよ! だから、その期間も公演中ずっと同じ気持ちでいたら疲れちゃうんで、ちゃんと休めるときは休みます。気楽に行こうって今の段階では 思っているんですけど、はじまってみたら、そんな気楽に行けるワケないだろうってなるかもしれないです (笑)

――因みにジムではどんなトレーニングを?
ランニングマシンで30分ぐらい走ったり、歩いたりしてました。あとは結構人の目を気にするタイプなので、器具を使ったトレーニングはちょっと人が少ないときに“こそこそ”っとやってました。「あれ使い方間違ってるのにな!」って思われていたら怖いんで(笑)

――柳さんが思う、舞台の面白いところって?
お客さんの空気でこっちの芝居も変わってくるところです。お客さんが居て舞台が完成するので、笑ってくれたら嬉しくなるし、ダメなんですけど「笑い待ち」みたいのも起こったりするので、そういうのは舞台ならではの面白さかなって。
お客さんが乗ってくると、こっちも楽しくなって乗れるので、お客さんが笑ってくださると空気感が変わりますね、みんな笑顔になります。お客さんも、一緒に入り込んでほしいってやっぱり思いますね。

――舞台の稽古って何をブラッシュアップさせるの?
殺陣の部分はもちろんミスがない様にですけど‥

――えっ殺陣やるんですか?
はい!本格的にやるのは初めてですが、もういっぱいいっぱいです(笑)日常生活で使わない筋肉ばっかり使っているので一瞬で筋肉痛になりますね。殺陣のとき、力が入ると息が止まってるんです。そうすると 息が上がってるので 次の台詞が出ないんですよ‥そこを上手く台詞が言えるように、本気には見せるんですけど、力を抜くところはしっかり抜いて落ち着いてやらないと上手くいかない です‥そこは「落ち着く」ことを第一に考えてやってます。
お芝居に関しては、テンポが良くなるように。映像だと成立するけど舞台だと成立しない間が存在するんです。「お客さんは分かってるから、その間はいらない」って指導を受けます。その間を自分の感覚で掴んでいくというような。そういう間を愛之助さんとかサラッとやってのけるんですよ! ホントにすごいです。

――70回も同じ舞台で飽きないのかね?
舞台って生ものですから、ロボットの様に同じことやってたら飽きるんでしょうけど‥そうしないようにちょっとずつ変えていますね。もちろん毎回変えてる方もいらっしゃいますよ。だから1回目と千穐楽はまったく違うと思います。

――余談ですけど、開催場所での楽しみって?
福岡では絶対にラーメンをハシゴしようと思ってます! 共演者の方たちと「みんなでニンニク臭くなれば怖くないよね」って話はしてます(笑)作戦として“替え玉”はしないで次の店に行く。ラーメンは茹でてるから「0カロリー」なので(笑)。
あと、健さん(松平健)や愛之助さん(片岡愛之助)がいらっしゃるので、美味しいものをご馳走してもらおうかなって「楽しみにしてます」って今から言ってあります(笑)。それから、名古屋公演ではお正月も公演があるので「お年玉の文化って知ってますか?」って聞いたら「知らな~い」って言われました‥ 次お会いしたら「指切りげんまん」します(笑)

――それぞれの開催場所、なに三昧?
大阪は「ホルモン」ですね~。福岡は「ラーメン」で、名古屋は「実家」、実家三昧します(笑)。東京は明治座で舞台できることを全力で楽しみますし、みなさん都内に住まれているので、美味しいご飯をご馳走していただけたら‥「経済を回すために私たち後輩がいるんです!」と(笑)

――PRをどうぞ
堤さん曰く「地方ならではのネタも盛り込んでいく」っておっしゃっていたので、各地で面白いことがあります! なので全国各地で観て頂きたいですけど、それはちょっと大変だと思うので‥(笑)それから、舞台が本当に鮮やかで派手で圧倒されるな、と稽古の段階で思っているので、実際の舞台はLEDが点いて、フライングもして、衣装も着て‥お客さんは常に心が躍っている状態なのかなって! 帰り道は観てない方にニッコニコの笑顔で「すごい良かったよ」って言ってもらえると確信しております。是非、観に来ていただけたら嬉しいです。

◆日本テレビ開局70年記念舞台 『西遊記』
脚本:マキノノゾミ 演出:堤幸彦
出演:片岡愛之助 小池徹平 戸次重幸 加藤和樹 村井良大
藤岡真威人 田村心 曽田陵介 小宮璃央 柳美稀 押田岳 桜庭大翔
山口馬木也 藤本隆宏 中山美穂 松平健

★大阪公演 2023年11月3日(金・祝)~5日(日) オリックス劇場
★福岡公演 2023年11月10日(金)~23日(木・祝) 博多座
★札幌上映会 2023年12月16日(土)・17日(日) カナモトホール
★名古屋公演 2023年12月27日(水)~2024年1月2日(火) 御園座
★東京公演 2024年1月6日(土)~28日(日) 明治座

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