プロ野球ドラフト会議で広島カープが交渉権獲得に成功した 常廣羽也斗 投手の指名までの様子と、一夜明けた27日の様子をお伝えします。
青山高治 キャスター
プロ野球ドラフト会議について、たっぷり情報をお伝えします。木村さん、今回のドラフト、いかがでした？
コメンテーター 木村雅俊 さん（中国新聞社 編集委員室 特別委員）
最後まで新井さん、見せますね。きのう（26日）はすごかったです、あのガッツポーズ。今季一番のガッツポーズだったかもしれないですね。
青山高治 キャスター
あのシーンが象徴するように結果的にはいいドラフトになりました。
木村雅俊 さん
常廣くんが取れたおかげで2位以下が全部、きれいに収まったらしいので、本当にスカウトの人たちもきょう、電話をしたんだけど喜んでいました。
石田充 アナウンサー
広島カープは、育成含めて8人の選手を指名したのですが、まさに北海道から沖縄まで全国スカウトの方がいろんな目をこらして追いかけてきた選手を指名したということです。RCCスポーツ部のメンバーもきょう、いろんなところに飛び回っています。例年、わたしもそのメンバーの1人になるんですが、「石田、きょうは “常” に “広” 島にいろ」と。「常時、広島にいたら仕事がある」っていう話だったので。
青山高治 キャスター
そうですね。石田さんはいつもドラフトの日に動いて、“空振りの石田”って言われていましたもんね。
石田充 アナウンサー
そうなんですけれども。その注目の「広島に縁がある」と 新井貴浩 監督も言い続けた 常廣羽也斗 投手の指名までの様子とさらにきょうの様子が入っています。
ドラフト会議の前日、新井監督は取材に対しこう語っていました。
広島カープ 新井貴浩 監督（25日）
「くじになった場合には、それはもちろん、わたしが当たりくじを引きたいと思います」
そして迎えた運命のドラフト当日（26日）―。
ドラフト会議 1巡目指名
「東北楽天、常廣羽也斗、投手、青山学院大学」
「広島東洋、常廣羽也斗、投手、青山学院大学」
楽天と競合になった常廣投手の指名―。ハラハラ・ドキドキの展開となりましたが…
広島カープ 新井貴浩 監督
「いよっし！（くじで交渉権を得てガッツポーズ）」
「本当に緊張しました。クライマックスシリーズで菊地にスクイズのサインを出したとき以上に緊張しました。同郷（大分県）の 森下（暢仁）先輩もいますので安心して来てください」
広島カープ1位指名 常廣羽也斗 投手（青山学院大）
「広島カープが一番初めに１位で公言していただいたときから、一番自分を評価してくれた球団に入りたいという思いがあったので、広島カープで野球がしたいと思っていたので、とてもうれしいです。カープはファンの熱量がすごくあるチームだなというイメージで、新井監督もすごく素敵な人というか、人間性のある監督だなと思うので、とても楽しみです」
新井貴浩 監督
「おそらく競合するだろうと思っていましたし、くじでも何でも来いという気持ちでした。いや、もう名前からして、もう “常” 時、“廣” 島ですから、 “常” に “廣” 島ですから、これはご縁を感じずにはいられませんでした」
青山学院大学へ新井監督 1位指名のあいさつへ（26日夜）
有言実行、当たりくじを引き当て、大役を終えた新井監督は、すぐにその足で指名あいさつのため、青山学院大学を訪問。常廣投手と対面しました。
新井貴浩 監督
「男前だなっていうふうに、はい。もちろん画像ではもう彼が投げる姿というのはもう本当にたくさん見させてもらったんですけれども、実際に生で会うと顔もいいなと。男前だなというふうに感じました」
常廣羽也斗 投手
― 実際に新井監督にお会いしてみて印象は？
「とても素敵な方だなと思いました」
― 監督からは男前という評価…
「めちゃくちゃうれしいです。1位公言、一番早い段階でしてもらって、一番いい評価をしていただいたと思うので、その評価に応えられるようなピッチングを1年目からできるようにがんばっていきたいです」
会見の途中、こんな出来事も…
会場「ウォーッ！（青学・中島大輔 選手が楽天から6位指名）」
広島カープ 新井貴浩 監督
「中島くん、楽天入団、おめでとう。中島くん、がんばってね。またオープン戦とか交流戦とかでお会いしましょう」
楽天6位指名 中島大輔 選手
「ありがとうございます」
新井貴浩 監督
「すいません。質問って何っでしたっけ？」
― 新井監督のもとで投げたいというコメントを受けて監督が、常廣投手に期待することは？
「本当に何年後かにはチームの核となれる投手だと思いますし、またその先には
日本代表として活躍できる、そんな素材を持った投資だと思いますので、楽しみにしています」
一夜明けて常廣投手は…
そしてドラフトから一夜明けたきょう（27日）の早朝、常廣投手の姿は青山学院大学のグラウンドにありました。
キャッチボールやノックで体を動かした後は、学食で部員たちがそろって朝ご飯です。
常廣羽也斗 投手
「めっちゃ食べにくい」
― きのうは連絡がいっぱい来たと思うが寝る時間はあった？
「5時間ぐらい寝ました」
― チームメイトからお祝いは？
「みんなですか、ないです。ほしいなあ。ほしいなあ、お祝い、ちょうだい」
チームメイトの 秋山功太郎 投手（広陵高校出身）
「おめでとう」
「明るく、野球に対して真面目な、とてもいいやつです。先発したら2けた勝利でがんばってほしいです」
― 常廣投手の食べる量は？
「こんな感じなんですけど、けっこうたくさん食べる感じです。けっこう大食い」
常廣羽也斗 投手
「好きな食べ物は麺類とすしです。嫌いな食べ物は、タマネギが嫌いです」
さらに早朝練習について聞いてみると…
常廣羽也斗 投手
― 起床時間は？
「今は5時間なんですけど、1年生はもっと前に起きないと、仕事（練習の準備）があるので、もう4時40分ぐらいには1年生のときには起きていました。1年生のときはマジできつかったです。ここ、強調で」
― 大学に入って朝は強くなった？
「だいぶですね。1年生のときに比べたら全然、余裕になりました」
朝食後はグラウンドに戻り、練習を再開。常廣投手はブルペンに入り、投球練習を行いました。
練習中、しきりにボールの握りを気にしていたことを聞いてみると…
常廣羽也斗 投手
「まっすぐ（ストレート）の安定性を高めるために。シュートしたりカットしたりするボールが多かったので、まっすぐの握りがちょっと問題あるかなと思って。変化球はゾーン内には入ったので、下半身の使い方的には悪くないんですけど、シンプルに指先にちょっとずれがあったりする、そういうときがあって、そのときはストレートは逃げたりするボールになるので、そのときにはボールの握りとかを気にしています」
指先の感覚へのこだわりは、青学の 安藤寧則 監督の教えもありました。
青山学院大学 野球部 安藤寧則 監督
「ピッチャーとしてのよさっていうのは、あんまり感情を表に出すことはね、ポーカーフェイスで、ただ『指先の意地』って本人もこの言葉を使っていますけども、リリースに関してはごまかしがきかないぞっていう話もしてきて、本当にそこの部分の意地っていうところはあるので。人間的なところで言えば、本当にいいところはもうマイペースっていうところで、しっかり自分の決めたことっていうのをコツコツやっていくっていう、いい意味でのマイペースっていうところが特徴だと思います。本当に順風満帆に入ってきてからは来たわけじゃないので、やっぱり下級生のときは苦労もしながら、なかなか思うような結果が出ず、本人も悩んでとか、いろいろ考えながらやってきた中で最後、花開いてっていうか、その土台があったからこそ、今につながっていると思うので、特段、これといったあれはないですけど、本当に4年間を振り返ってみると、成長曲線っていうか、そういうものは結果的によかったかなというふうに思っています。すぐ1軍で活躍してもらいたいとは思っていますけど、とにかく先発したいっていうのもあるでしょうけども、与えられた場所というかポジションでしっかり自分の役目を果たしてほしいなというふうに思っています」
そして午前9時前、朝の練習が終了。授業へ向かう前の常廣投手にメッセージをもらいました。
常廣羽也斗 投手
「RCCをご覧のみなさん、こんにちは。広島東洋カープより1位指名をいただきました青山学院大学の常廣羽也斗です。新井監督を胴上げするチームの一員になれるようにがんばります。よろしくお願いします」
◇ ◇ ◇
青山高治 キャスター
競合はありましたが、この常廣投手を指名できたのは大きかったです。
コメンテーター 木村雅俊 さん（中国新聞社 編集委員室 特別委員）
ピッチャーらしいピッチャーだなっていうのは、もうわかるので大きな戦力になるんじゃないですかね、来年。
青山高治 キャスター
本当、将来が楽しみなピッチャーですね。新井監督も「 “常” 時、“廣” 島」「 “常” に “廣” 島」ということで、もう「 “常” 勝、“廣” 島」に導いてほしいです。
石田充 アナウンサー
「指先の意地」って、ふだんピッチャーは下半身とか、もっと違うところをイメージする方が多いんですけど、指先の意地ってなかなか聞かないですよね。
木村雅俊 さん
だから、もともとピッチャーの繊細さも兼ね備えているけど、ポーカーフェイスっていうことなので、マウンドさばきっていうのも逆に今度、どんなものを見せるんだろうって、わくわくさせてくれるピッチャーですよね。
中根夕希 キャスター
でも食堂での姿とか見ると、愛きょうのある素顔があったり、マウンドに上がるとすごくキリッとした表情で、そのギャップにも魅了されそうです。
