【天皇賞・秋/追い切り診断】イクイノックスに迫る「A」の高評価 「CW追いを解禁し伸び脚も豪快」

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■ガイアフォース

【中間調整】昨年のセントライト記念を快勝し、菊花賞では1番人気に推された馬(結果は8着)だ。走りのタイプから速い馬場の速い時計で決着する競馬がベストと判断され、今年の春は1回京都開幕2日目のマイラーズCに挑み2着、Cコース替わりの3回東京2日目の安田記念で4着。好コンディションの馬場を狙い澄ました戦略で、生粋のマイラータイプでないながらも健闘を続けた。底力の高さは折り紙付き。秋の最大目標は天皇賞とされ、距離感覚を戻すためにオールカマーから始動。2番人気5着という結果に終わったが、序盤に接触があり、開催が進んだ中山馬場も不向きだったことを考えれば悪くない走りだったと言える。

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中間は目標の天皇・秋に向けて在厩調整。じっくりケアを施し、1週前のCW併せ馬が中間の初時計だった。先行2頭を外から大きくマクッていく意欲的な内容。直線半ばまでじっくり我慢させ、満を持して仕掛けられると1頭また1頭と競り落として最先着を果たしている。これが自身初のCW追いで手前の変換にぎこちなさはあったものの、反応、伸びはそれぞれハイレベルだった。

【最終追い切り】レース当週は西村淳騎手が騎乗し、坂路を単走。1週前に負荷は十分掛かっており、メリハリを意識した終い重点の内容消化となった。落ち着いたペースでも力まずシャープな走りで登坂。機敏に手前を替え、ラストはブレのないフォームで鋭く加速できていた。単走とは思えない気迫が感じられたのもいい。

【見解】素晴らしいバネの持ち主ながら“ネジ”の緩さがあり、完成途上が強調されてきた馬だ。調教も脚元への負担が少ない坂路オンリーで仕上げられてきたが、ようやくしっかりしてきたということか、今回大一番を前にCW追いを“解禁”。反応は上々、伸び脚も豪快でこのひと追いでの効果はかなり大きそうだ。実際、最終追いの坂路単走では以前よりも楽に加速できていた。願い通り高速馬場でのレースとなりそうだし、上位食い込みの可能性十分。

総合評価「A」

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著者プロフィール

西村武輝(にしむらぶこう)●フリーライター
競走馬の追い切り評価を専門として、ネットメディア中心に執筆を続けているフリーライター。現在、UMAJIN.net「競馬サロン」においては毎週の重賞出走全頭のレポートを執筆、担当。またプロレス関連業界にも関わっており、週刊プロレスや書籍等への寄稿歴もある。

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