【天皇賞・秋/追い切り診断】ドウデュースを上回る「S」の最高評価 「フルにパフォーマンスを発揮できる」

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■イクイノックス

【中間調整】昨年の天皇賞・秋でGIを初勝利。異次元レベルの大逃げを打ち、セーフティリードに持ち込んだかに見えたパンサラッサを差し切った度肝を抜く勝利内容で、底知れないポテンシャルを世に知らしめた。以降有馬記念、ドバイワールドカップ、宝塚記念とここまで国内外でGIを4連勝。現在の日本競馬界における文句なしの最強ホースだ。下半期は国内専念が早い段階からアナウンスされ、連覇の懸かる天皇賞・秋への進出も早期に決定。

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予定通り9月28日に美浦へ戻り、調整をスタート。10月1日に坂路15-15で体をほぐしたのが帰厩後の初時計で、以降ウッドと坂路を併用するいつも通りの調整が進んでいる。C.ルメール騎手が騎乗した1週前のウッド併せ馬では8Fから時計を出し始めるハードな内容だったが、先行馬と体を並べた直線ではシャープな走りを維持し、最後まで余力たっぷりのまま1馬身抜け出しての先着を果たした。6F78秒9(馬なり)は自己ベストを0秒9更新する数字。

【最終追い切り】1週前の段階で既に仕上がっており、当週は操縦性などの微調整に徹した終いだけの内容。左右2頭の間に割って入る、いつも通りの調整を行った。間隔の狭さで一瞬イラッとしたようだが、すぐに落ち着きを取り戻して併走。直線で加速してきた左右の動きには、自然体で対応する。そのままスムーズに加速し、外の1頭に先着。内の相手に合わせるようにして併入とした。

【見解】1週前の時点でも落ち着きと躍動感に惚れ惚れするものがあったが、今週はさらにブラッシュアップされまさに素軽さ満点といったところ。“現役ラストラン”が噂されるジャパンCに向けて、いくぶん余裕を残している感は否めないが、それでもほぼこの馬がフルにパフォーマンスを発揮できる状態だと言える。連覇&GI5連勝へ、視界良好。

総合評価「S」

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著者プロフィール

西村武輝(にしむらぶこう)●フリーライター
競走馬の追い切り評価を専門として、ネットメディア中心に執筆を続けているフリーライター。現在、UMAJIN.net「競馬サロン」においては毎週の重賞出走全頭のレポートを執筆、担当。またプロレス関連業界にも関わっており、週刊プロレスや書籍等への寄稿歴もある。

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