所得減税、期間1年で一致 自民税調、景気条項が焦点

記者団の取材に応じる自民党の宮沢洋一税調会長=27日午後、東京・永田町の党本部

 自民党税制調査会は27日、非公式の幹部会合を開き、岸田文雄首相が検討を指示した所得税と住民税の減税期間は1年とする方向でおおむね一致した。会合終了後、宮沢洋一税調会長が記者団の取材に「当然1年限りという認識だ」とした上で、他の幹部も同様の考えだと明言した。ただ与党内には景気が悪化した場合は期間を延長する「景気条項」を付けることを模索する動きもあり、所得制限とともに今後の焦点となりそうだ。

 この日は自民、公明両党の税調が非公式の幹部会合を開催。扶養家族を含め1人当たり4万円の減税を来年6月から実施するなどとした首相の方針について議論した。景気条項を付けるかどうかについて、宮沢氏は記者団の取材に「まったくない」として減税は2024年の1年で終える考えを強調した一方、公明の税調幹部は「今後の議論だ」と含みを持たせた。

 所得制限について宮沢氏は「これから税調の議論の中で検討する」と述べた。首相は「子育て世帯の分断を招いてはならない」と26日に発言しているが、与党税調の中では一定の制限を設けるべきとの意見が強い。

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