貸与の電動車いす 安全性表示なし 吉備中央の健康特区事業 使用中止

バッテリーと充電器にPSEマークが付いていなかった電動車いす

 岡山県吉備中央町が住民に貸し出した電動車いす10台のバッテリーと充電器に、電気用品安全法で表示が義務付けられた安全性を示す「PSEマーク」が付いていなかったことが27日、町への取材で分かった。町は全台の使用を中止して回収したという。

 町によると、高齢者の外出支援のため、デジタル技術で中山間地の課題解決を図る国の「デジタル田園健康特区」事業の交付金を活用。1人乗り電動車いす10台を約500万円で購入し、昨年11月に町内の新山地区住民に貸し出した。

 外部からの指摘で発覚し、16日に使用を中止した。町の説明では現時点で不具合の報告はなく、バッテリーと充電器は購入先の業者が無償で交換する。

 町総務課は「確認が不十分で住民に心配をかけ、申し訳ない。部品の安全性を確保した上で早急に運用を再開したい」としている。

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