東洋大牛久高でいじめ 「重大事態疑い」 訴えから1年後、茨城県に報告 生徒は転校

茨城県庁=水戸市笠原町

茨城県牛久市柏田町の東洋大牛久高で昨年7月、野球部の男子生徒が部員からいじめを受けたと訴えて転校し、学校側が今年7月、いじめ防止対策推進法に基づく「重大事態の疑い」があると県に届け出ていたことが27日、分かった。学校側は当初、「重大事態に該当しない」と判断していた。

関係者によると、同校野球部1年の男子生徒は昨年7月、同じ野球部員から無視されるなどいじめを受けたと訴え、転校した。

学校側は男子生徒や保護者の訴えを受け、聞きとり調査を実施したものの、同10月に「いじめはなかった」と県に報告していたという。

保護者はこれまでに、学校側や県に対し、組織としての対応や事実調査などを求めていた。県は今年6月、重大事態の発生報告や調査実施を文書で通知。これを受け、学校側は最初の訴えから1年後の7月、重大事態の疑いとして調査に乗り出した。

この生徒の保護者は「いじめ加害者への憎悪は『ごめんなさい』で済むが、学校側の対応は許せるものではない。調査をしっかりと行ってもらいたい」と話した。設置者の東洋大は「被害者に寄り添って対応し、今後の調査を進めていきたい」としている。

© 株式会社茨城新聞社