入院食の自己負担30円上げ検討 政府、物価高騰で24年度にも

入院中の食事代の見直しイメージ

 政府は医療機関の入院患者が自己負担する食事代を引き上げる方向で検討に入った。物価高騰のため、国が定める1食当たり原則460円を30円増の490円とする案が軸。早ければ2024年6月の診療報酬改定に合わせて行う。患者の自己負担額を引き上げるまでの医療機関に対する時限的な支援措置として、交付金などで1日当たり60円程度(1食20円相当)を支給する方針であることも分かった。関係者が27日、明らかにした。

 仕入れ費用の増加に伴う医療機関の経営悪化を緩和する狙い。11月2日に閣議決定する経済対策に方向性を盛り込む。24年6月以降の自己負担見直しで、低所得の入院患者にも負担増を求めるかどうかは今後調整する。交付金などで支援している間は、全ての入院患者の自己負担額を現行のままとする。

 関係者によると、医療機関が食事を提供した際、原則として患者の自己負担額460円に、公的医療保険からの給付180円を加えた640円で賄う。1日3食で合計1920円となる食事代の水準は、30年近く維持されてきた。

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