ハクサンアマゾネス重賞19勝 園田・兵庫クイーンC

兵庫クイーンカップを制したハクサンアマゾネス=27日午後7時57分、兵庫県の園田競馬場(兵庫県競馬組合提供)

  ●金沢デビュー牝馬初賞金1億円 

 地方競馬の西日本交流重賞・第20回兵庫クイーンカップ(1870メートル)は27日、兵庫県の園田競馬場で行われ、2番人気の金沢の女王・ハクサンアマゾネス(牝6歳)=吉原寛人騎乗=が優勝した。重賞19勝目で、カツゲキキトキトが持つ国内平地競走の重賞勝利記録20勝にリーチをかけた。1着の賞金は700万円で、生涯獲得賞金は金沢デビューの牝馬で初めて1億円の大台に乗った。

 レースには地元兵庫のほか、金沢、高知、愛知、笠松から12頭が出走。ハクサンアマゾネスは好スタートを切ると2番手でレースを進め、4コーナー手前でトップに立ち、力強い走りで逃げ切った。勝ちタイムは2分2秒8。もう1頭、金沢から出走したクレウーサ(牝4歳)は8着だった。

 (1)ハクサンアマゾネス(2)スマイルミーシャ(兵庫)(3)アンティキティラ(高知)(4)クリノメガミエース(兵庫)(5)ソニングヴァース(兵庫)

 

  ●クイーンの輝き再び

 金沢の女王が、園田の夜空にクイーンの輝きを再び放った。初めての遠征で強さを証明した7月の兵庫サマークイーン賞Vから3カ月。ハクサンアマゾネスは、兵庫ダービー馬・スマイルミーシャに3馬身差をつける快走で「西日本最強牝馬」の力をあらためてファンに見せつけた。

 兵庫重賞夏秋連覇を果たした一方、女王はこの間、苦しい時を過ごした。交流重賞連勝を狙って名古屋に乗り込んだ9月の秋桜賞。圧倒的1番人気に推されながら、最下位に沈んだ。

 陣営は地元金沢での再起戦を選択。今月9日のレースで2着に9馬身差をつける圧勝で復権を飾った。

 それから異例の短期間で臨んだ兵庫クイーンカップ。レース後、吉原騎手は「力を出し切れば負けないと信じて乗った」とたたえ、加藤和義調教師は「夏の優勝がフロッグと言われずに済んで良かった」とほっとした表情を浮かべた。前日26日は吉原騎手の40歳の、28日は加藤調教師の46歳の誕生日。愛馬がくれた最高のプレゼントに2人は満面に笑みを浮かべた。

 通算34戦23勝。重賞勝利の最多記録も見えてきたが、今年限りでの引退が決まっている。残るレースはわずか。誇り高き女王の走りを最後まで貫いてほしい。(競馬担当・久保勉)

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