国連総会、ガザ「人道休戦」決議 賛成121カ国、米は反対

国連総会=27日(AP=共同)

 【ニューヨーク共同】国連総会(193カ国)は27日、パレスチナ自治区ガザの情勢を協議する緊急特別会合で、イスラエル軍やイスラム組織ハマスに「人道的休戦」を要請する決議案を121カ国の賛成で採択した。法的拘束力はないが、ガザへの地上侵攻を目指すイスラエルの軍事作戦を容認しない姿勢を示した。ハマスを名指しで非難しなかった。

 28日で戦闘開始から3週間。ハマスが実効支配するガザの人道危機が深まる中、イスラエル軍報道官は27日、ガザへの陸上部隊による越境作戦を拡大すると表明した。国際社会とイスラエルの溝が一段と目立っている。

 決議案には米国を含む14カ国が反対、日本や英国など44カ国が棄権した。14カ国は不参加だった。日米や欧州の一部は、ハマス非難などを盛り込むよう求めていた。

 イスラエルのエルダン国連大使は「人道危機など起きていない。ハマスを壊滅して人質を救出する」と反発。パレスチナのマンスール国連大使は「総会が打ち勝った。パレスチナと全ての人々に適切なメッセージを送った」と歓迎した。

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