建設業で働く女性のスキルアップ、大分県が支援 現場管理や広報などセミナー開催【大分県】

セミナーに参加して仕事の幅が広がったと感じる秋好杏美さん=大分市三佐
県内の建設業で働く女性の割合

 県内の建設業で、女性が技術向上に取り組む動きが活発だ。業界は高齢化や新規就職者の減少が続いている。女性が活躍の場を広げることで、人手不足の解消にもつながると期待されている。県はセミナーなどを開いて環境づくりを後押ししている。

 主に道路工事を手がける角栄(かくえい)建設工業(大分市三佐)の秋好杏美(あみ)さん(23)は入社4年目で、県が開くスキルアップセミナーに毎年参加している。学びを生かして交流サイト(SNS)の活用を会社に提案し、今年から運用を担当する。現場の工事内容を地域住民に分かりやすく紹介している。

 現在は主に広報活動を担い、人手が足りないときは現場管理に出ることもある。「女性だけのチームで道路を造るのが夢。建設業の魅力を伝えて仲間を増やしたい」と語る。 

 同社からは本年度、秋好さんを含め2人がセミナーに参加している。角(かく)裕介社長(47)は「同じ立場の人と関わることで刺激をもらっているようだ。提案は可能な限り取り入れている。女性が活躍する職場は採用面でも効果がある」と説明する。

 県は2020年度からセミナーを開いている。現場管理やドローン操縦、広報などさまざまな業務を計6回、約3カ月間かけて学ぶ内容。これまで延べ約150人が受講し、今年は10月から53人が参加している。経営者に女性活躍や働き方改革を考えてもらう研修も各地で開いている。

 本年度は建設業への新規就職者を増やす取り組みにも力を入れる。高校生や大学生に仕事の内容を紹介する冊子を作る予定。セミナーの成果発表会にも学生らを招き、進路選択の参考にしてもらう。

 県内の建設業では20年度時点で約4万5千人が働き、女性は約7500人(16.7%)。05年度から2.4ポイント増えたものの、伸びは小さい。県土木建築企画課は「個々の仕事の幅を広げることは人手不足の改善にもつながる。支援を続ける」と話している。

© 有限会社大分合同新聞社