栃木市のサッカースタジアム住民訴訟 原告団が市長に上告断念を要請

 栃木市の運動公園に企業が建設したサッカースタジアムの固定資産税などを、市が免除したのは違法だとした住民訴訟で控訴審判決で、住民側の訴えが認められたことを受けて、原告団は27日、大川秀子市長に最高裁への上告を断念することなどを要請、大川市長は「現在、慎重に検討しており回答できない」と答えました。

 この住民訴訟は、栃木市の岩舟総合運動公園に関東サッカー1部リーグの栃木シティフットボールクラブの運営会社の親会社、日本理化工業所が建設したサッカー専用スタジアムについて、市が固定資産税を免除し一定期間、公園の使用料を請求しないのは違法だとして、市民ら48人が訴えたものです。

 10月18日の控訴審で東京高等裁判所は違法とした一審の宇都宮地裁判決を支持し、市の控訴を棄却し、市の全面敗訴となりました。

 これを受けて原告団は、24日に要請書を大川市長あてに送り「市長は最高裁への上告を断念し市民に謝罪する」「判決通り使用料の徴収と課税を速やかに行う」など4項目を求めています。

 27日は、原告団の早乙女利次団長らが市役所を訪れ、大川市長らと面会しました。

 大川市長は、控訴審について「本市の主張が認められず、まちづくりの裁量権を認めない判決で残念」とした上で、最高裁への上告などについて「慎重に検討をしている。今はまだ、回答はできない」と判断を明らかにしませんでした。

 早乙女団長は「市長の裁量権を超えた措置で、控訴自体が不適切だった。上告を断念してもらいたい」と重ねて要請しました。

 大川市長は「いただいたご意見を考慮し、答えを出したい」としました。

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