理容日本一「夢は独立」 2年越し栄冠、研さん今も 茨城・常総出身の山野辺さん

理容師の全国大会で優勝した山野辺美香さん=東京都豊島区

理容技術を競う「第75回全国理容競技大会」で、茨城県常総市出身で東京都内の店舗に勤務する山野辺美香さん(24)が優勝した。昨年の予選敗退の悔しさをばねに練習に励み、日本一を獲得。現在も研さんを欠かさず、「将来独立するため、これからも技術力を高めたい」と意気込んでいる。

大会は業界最大のイベントで、今年は札幌市で9月に開かれた。主催は全国理容生活衛生同業組合連合会。6部門に総勢200人超がエントリーし、都道府県予選を勝ち抜いた上位者が日頃の練習の成果を競い合った。

山野辺さんが参加したのは「ジャパンカップオープン・レディス(クリエイティブスタイル)」部門。女性のマネキンをモデルに、ヘアカラーを生かした創造的なカットスタイルと、衣装を合わせたトータルコーディネートの出来栄えで競う。

昨年初出場した際も「自信はあった」が、都予選で敗退。「悔しくて情けなかった。どん底に落とされた気分」と当時を振り返りながらも、会場で審査員から「これからも続けて」と励まされ、今大会での雪辱を誓った。

この1年間はリベンジに向けて練習漬けの日々。営業時間前の午前8時からマネキンにはさみを入れ、閉店後や休日も努力を怠らなかった。

迎えた全国大会。「誰よりもきれいな作品をつくる」と本番に臨んだ。参加した同部門には42人が出場。制限時間35分の間はイメージを忠実に表現することに集中した。作品の完成後、他の作品と見比べると「私の作品が一番かっこいい」と確信。その言葉どおり優勝の栄冠を勝ち取った。

常総市の実家も理容店。幼少時から店に顔を出し、近所の常連客とおしゃべりを楽しんだ。高校卒業後に都内の専門学校で理美容師の免許を取得し、JR大塚駅近くの理美容院に就職した。

将来の夢は自分の店を持つこと。大会優勝も通過点の一つだ。山野辺さんは「これからも技術を高めたい」と話している。

山野辺さんの優勝作品(本人提供)

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