声楽作品に光、ミサ曲も 山響24年度定演、世界的奏者ら招聘

 山形交響楽協会(園部稔理事長)の理事会が27日、山形市の山形グランドホテルで開かれ、2024年度定期演奏会の概要などを決めた。「抒情(じょじょう)―Lyricism(リリシズム)」をテーマに、これまで以上に多くの世界的アーティストを招聘(しょうへい)する。新型コロナウイルス禍で縮小を余儀なくされた声楽作品にも光を当て、専属合唱団・山響アマデウスコアと共にミサ曲にも取り組む。

 定演には、絶大な人気を誇るバイオリン、ビオラ奏者ジュリアン・ラクリンさんやトランペット奏者セルゲイ・ナカリャコフさん、2回目の登場となるクラリネットの世界トップ奏者ポール・メイエさん、欧州歌劇場で活躍する指揮者準・メルクルさんら世界のトップランナーが出演する。24年での引退を表明している巨匠井上道義さんも山響定演に初登場し、オール・モーツァルトのプログラムを予定する。

 山響アマデウスコアとは6月定演でモーツァルトのミサ曲「戴冠式ミサ」を取り上げ、東京と大阪のさくらんぼコンサートでも上演する。やまぎん県民ホールシリーズでは、同ホールでは初となる「第九」公演を常任指揮者阪哲朗さんとアジアから招く独唱者で行う予定。理事会ではほかに、本年度の収支見通しやスクールコンサートなどに関する課題も報告された。

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