学校田を20年管理 田中さんが引退 長崎・東彼杵町の彼杵小 児童らが稲刈り、感謝

子どもたちと記念写真に納まる田中さん(中央)=東彼杵町彼杵宿郷

 長崎県東彼東彼杵町の町立彼杵小(白水聡校長、230人)の学校田(約15アール)を20年間管理していた農業、田中和幸さん(85)が今季で引退。16日、5年生約40人が稲刈りをした後、「いろいろと勉強させてもらった。米作りは一人でできない。水路の世話など手伝いたい」と振り返った。
 学校田は田中さんの水田の隣にあり、同じ水路を使うことから管理を引き受けた。当初は田植え前、水を張って土を耕す代かきに牛が活躍していたことを身をもって知ってもらおうと、ドッジボール体験もしていたという。
 ここ数年は台風被害や苗を食い荒らすジャンボタニシに頭を抱えた。大村湾に近いため、昨年は塩害で実の付きが悪く収穫はたったの15キロ。「今の6年生には申し訳なかった。今年は無事に育った」と振り返り、今季退治したジャンボタニシの殻を披露。児童代表が「農家の苦労を、身をもって知ることができた」とお礼を述べ、全児童と記念写真に納まった。
 稲刈りには保護者約20人も参加。6月に植えたもち米などを刈った。11月上旬に同校で餅つきを体験する。

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