ピアノマラソン 40組“完奏” ノリ漁師・徳永さんら6時間半かけ

コンサートの部に出場しリストの「ラ・カンパネラ」を演奏する徳永義昭さん=佐賀市の東与賀文化ホール

 年齢も演奏歴もさまざまなピアノ奏者が弾きつなぐ「ひがしよかピアノマラソン」が22日、佐賀市の東与賀文化ホールであった。未就学児からベテラン、ノリ漁師のピアニストとして話題の徳永義昭さん(63)まで40組の参加者が練習の成果を披露し、約6時間半かけて「完奏」した。

 初心者から挑戦できる1組5分の「フェスティバル」と、腕に覚えのある奏者を対象にした1組10分の「コンサート」の2部門に分かれ、参加者は1組ずつステージに上がって鍵盤に指を走らせた。つまずいても最後まで弾き通し、観客も温かい拍手を送った。

 3年連続で出場した徳永さんは今回もリストの難曲「ラ・カンパネラ」に挑戦。指を激しく行き交わせながら美しい旋律を奏で、弾き終えると「ほっ」と深い息をついた。「演奏依頼はあちこちから来るが、自分から出るのはこことコンクールだけ。地元でいろいろな奏者と友達になれるのが楽しみ」と笑みを浮かべた。

 ゲスト出演した佐賀市金立町出身のピアニスト大坪健人さん(34)は講評で「練習通りの力が出せるとは限らないのが本番。一回一回が学びになる」と参加者にエールを送った。イベントは2016年に始まり、佐賀市民芸術祭(11月10~12日、市文化会館)のプレイベントとして開催された。(志垣直哉)

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