ヴィッセル、初優勝へ足踏み 湘南と1-1ドロー 2位横浜Mとの勝ち点差は2に

湘南-神戸 前半、競り合う神戸・大迫(撮影・堀内 翔)

 明治安田J1リーグ第31節第2日の28日、ヴィッセル神戸は敵地のレモンガススタジアム平塚(神奈川県)で湘南ベルマーレと対戦し、1-1で引き分けた。神戸は18勝8分け5敗の勝ち点65として首位をキープ。同時刻に試合があった2位横浜Mが勝ったため、勝ち点差は2に縮まった。

 MF山口が欠場した神戸は前半10分過ぎ、中盤の攻防でボールを失うと、そのまま先制点を許した。追い付くため、相手5バックの裏に浮き球のパスを送り続けたが、得点につながらなかった。

 後半に入ると、FWジェアンパトリッキを投入。ドリブルでチームに推進力をもたらすと、後半6分、FW大迫を狙ったDF酒井のクロスが相手のハンドを誘い、PKを獲得。大迫が今季21点目となるゴールを奪い、試合を振り出しに戻した。

 以降はボールを保持するも、勝ち越せず。初優勝に向けて足踏みとなった。

 神戸のリーグ戦は残り3試合。次節は来月12日に敵地の埼玉スタジアム(さいたま市)に乗り込み、優勝の可能性を残す浦和レッズと対戦する。

 

■MF斉藤に合同エール

 試合前、長期離脱中の神戸のMF斉藤に向けて両クラブのサポーターがエールを送った。

 神奈川県出身の斉藤は湘南の育成組織からトップチームに昇格。神戸には湘南からの期限付きで在籍している。

 斉藤は8月のリーグ柏戦で左膝に全治約1年の大けがを負った。両クラブのサポーターは大声で「未月」と繰り返し、24歳の再起を祈った。

 【ヴィッセル神戸】川崎製鉄水島サッカー部が母体。クラブ創設後の初練習を予定した1995年1月17日に阪神・淡路大震災が発生した。96年に日本フットボールリーグ(JFL)2位に入り、Jリーグ昇格を決めた。成績不振に伴う経営難となった2004年、楽天を率いる三木谷浩史氏の個人資産管理会社が営業権を取得。15年に楽天グループ傘下に。元スペイン代表MFアンドレス・イニエスタら実力者の補強を積極的に進め、20年元日にクラブ初タイトルとなる天皇杯を獲得。昨季はリーグ13位に低迷した。

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