大クラッシュ発生により3周完了時点で終了。宮田莉朋と野尻智紀が6.5ポイント差に【SF第8戦鈴鹿決勝レポート】

 2023年全日本スーパーフォーミュラ選手権の第8戦決勝レース(31周)が鈴鹿サーキットで開催された。レースはポールシッターの野尻智紀(TEAM MUGEN)が抜群のスタートで1コーナーのホールショットを守ったまま進行したが、序盤の4周目の130Rで大クラッシュが発生。すぐさまセーフティカー(SC)が入ったのち、赤旗が提示されてレースは中断。再開されぬまま、決勝レースは終了となった。

 晴天が続く鈴鹿サーキットは、決勝レース直前で気温21度、路面温度26度というコンディション。ホームストレート上は強く冷たい追い風が吹いている。今季4度目のポールポジションを獲得した野尻は、シグナルのブラックアウトと同時に抜群の蹴り出しで、トップで1コーナーを通過。フロントローに並んだ宮田莉朋(VANTELIN TEAM TOM’S)もミスはないものの、その後方から4番手スタートの太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が襲い掛かった。太田はスタート直後に3番手の牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)をかわすと、1コーナーで宮田をアウト側から豪快にオーバーテイク。2番手に浮上した。

2023スーパーフォーミュラ第8戦鈴鹿 スタート

 一旦は太田の先行を許した宮田だったが、オープニングラップのシケインで一気に太田に近づくと、そのままテール・トゥ・ノーズでホームストレートへ。先ほどの仕返しと言わんばかりに、太田をアウト側から一気に抜き去り2番手を取り戻した。タイトル争いの一角、リアム・ローソン(TEAM MUGEN)は7番手スタートからスタートで平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)をかわし1ポジションアップ。さらに4周目の1コーナーで坪井翔(P.MU/CERUMO・INGING)をかわし5番手へと着々と順位を上げていた。

太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)から2番手の座を取り戻した宮田莉朋(VANTELIN TEAM TOM’S)

 トップの野尻が4周目を終えて5周目に入ったところで、後方で大きなクラッシュが発生する。17番手、18番手を走行していた笹原右京と大津弘樹が130Rで接触。2台そろってコースアウトし、笹原はタイヤバリアに乗り上げるほどの勢いでクラッシュしてしまう。大津のマシンも追いかけるようにタイヤバリアにヒット。レースはすぐさまSCが入り、さらに赤旗が提示されて中断となった。

 クラッシュした2台のうち、大津はドライバーがマシンを降り歩いている様子がすぐに映像に映し出され場内は安堵の声が上がった。笹原は映像には映し出されることはなかったものの、場内アナウンスで無事が伝えられている。

 2台を除いた20台はホームストレート上に停止。その後、15時15分にエントラント代表が集められ、協議の結果15時30分にレース終了がアナウンスされた。結果は3周完了時点での終了とし、野尻が優勝、宮田が2位、太田が3位となった。レース距離の75%を消化していないため、獲得ポイントは半分となり、野尻は10点追加の97ポイント。宮田は7.5点追加の103.5ポイントで、両者の差は6.5ポイントとなった。3周終了時点での順位となったため、ローソンは坪井をかわす前の6位。2.5点追加の88.5ポイントとなっている

2023スーパーフォーミュラ第8戦鈴鹿 ポール・トゥ・ウインを飾った野尻智紀(TEAM MUGEN)
2023スーパーフォーミュラ第8戦鈴鹿 表彰式

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