●「復興の光」思い込め 作品鑑賞、3万人突破
珠洲市中心部の飯田町商店街で29日、地元の飯田小児童による「鼓笛パレード」が6年ぶりに復活する。5月の奥能登地震からの「復興への光」を掲げ、珠洲全域で開催中の奥能登国際芸術祭2023(北國新聞社特別協力)の盛り上げに一役買おうと4~6年生37人が練習を重ねてきた。市内に現代アートが点在する芸術祭は28日、作品鑑賞に訪れた人が3万人を超えた。
飯田小ではかつて児童が鼓笛隊を編成し、地元のイベントで商店街を練る「鼓笛パレード」を行ってきた。児童数が減って2018年から校外での活動を休止し、運動会での披露にとどまっていた。昨年10月に同小創立150周年に合わせて飯田港周辺でパレードを実施したが、商店街には入らなかった。
飯田小PTAや地元住民からパレード再開を望む声が強く、芸術祭に合わせ、地震で複数の店舗が被災した商店街を勇気づけるため6年ぶりに実施を決めた。
児童は4月から週2回、トランペットやドラム、トロンボーンなどを練習し、パレードでは「村まつり・校歌」「愛のしるし」の2曲を演奏しながら行進する。鼓笛隊の部長でトランペットを演奏する6年生の梅田一高(かずたか)君(11)は「僕たちのパレードで芸術祭と商店街がにぎわってほしい」と意気込んだ。
●「時を運ぶ船」1万人突破
珠洲市清水町の旧清水保育所で展示されている塩田千春さんの作品「時を運ぶ船」の鑑賞者が28日、1万人に達した。
節目の鑑賞者は氷見市の三ノ宮あやめさん(39)で、夫の自営業一貴(かずたか)さん(37)、長女の叶羽(とわ)ちゃん(2)とともに、地元のボランティアスタッフ「清水喜楽会」会長の南昭義さん(82)から揚げ浜塩など記念品を受け取った。
作品は揚げ浜式塩田で砂の運搬に使われた砂取舟から無数の赤い糸が張り巡らされており、ガイドブックの表紙になっている。三ノ宮さんは「赤い糸の色合いが柔らかくて見事」と作品に見入った。