春日大社摂社・若宮神社、平安祈願し神事「1年の無事を感謝」

本殿前の拝舎で神事を営む神職=28日、奈良市春日野町の春日大社摂社・若宮神社

 奈良市春日野町の春日大社摂社・若宮神社で28日、正遷宮(しょうせんぐう)から無事に1年経過したことに感謝し、平安を祈願する神事が営まれた。

 正遷宮は20年に一度の式年造替の修理を終えた本殿に、ご神体を仮殿から戻す本殿遷宮祭。ちょうど1年前の昨年10月28日の夜に営まれた。

 神事は若宮神社本殿前の拝舎(はいのや)で、花山院弘匡宮司をはじめ8人の神職により営まれた。花山院宮司が正遷宮後の平安への感謝や世界平和への願いを込めた祝詞(のりと)を奏上。神職と神事を見守っていた約100人の参拝者が大祓詞を声をそろえて唱えた。

 このあと南都楽所が平和が訪れることを祝う舞楽「蘭陵王」を奉納。参拝者は華麗な舞いに見入った。

 花山院宮司は「若宮は奈良の総鎮守で、この1年奈良に大きな災害、事故がなかったのはご加護と感謝した。これからも奈良のみならず国全体を守っていただければ」と話した。

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