2度のDFAを経てスターダムに上り詰めたレンジャーズ・ガルシア

ワールドシリーズ第1戦で延長11回裏にサヨナラ本塁打を放ち、チームを勝利に導いたアドリス・ガルシア(レンジャーズ)。今年のプレーオフで叩き出した打点は22となり、単年のプレーオフ新記録を樹立した。スターダムに上り詰めた感のあるガルシアだが、ここまでのキャリアは決して順風満帆ではなかった。MLB公式サイトのトーマス・ハリガン記者とセオ・デローサ記者は、過去に2度のDFAを経験したガルシアのキャリアを特集している。

現在30歳のガルシアは、18歳のときに母国キューバのプロ野球リーグでデビューし、キューバ・ナショナル・シリーズの初優勝を経験。2015年にはパンアメリカン競技大会の3位決定戦でサヨナラ本塁打を放ち、キューバ代表の2大会連続銅メダルに大きく貢献した。さらに、2016年にはキューバ・ナショナル・シリーズのMVPを受賞。そして、2016年4月に日本プロ野球の読売ジャイアンツと契約したものの、わずか4試合の出場で7打数0安打3三振に終わり、同年8月にはドミニカ共和国へ亡命したことが報じられた。

2017年2月にカージナルスと契約したガルシアは、2018年8月にメジャーデビュー。しかし、21試合に出場して打率.118と目立った活躍はできず、2019年はメジャーでの出場機会がなかった。同年12月にカージナルスが金廣鉉(キム・グァンヒョン)を獲得した際、ガルシアはDFAとなってロースターの40人枠から外されることに。その後、レンジャーズへの金銭トレードが発表されたが、短縮シーズンの2020年はわずか3試合しか出場できず、6打数0安打4三振に終わった。

2021年2月にはレンジャーズからDFAとなったが、獲得を希望する球団はなく、40人枠外のマイナーリーガーとしてレンジャーズに残留。すると、同年4月にメジャー昇格を果たして初本塁打を放ち、ここからガルシアの快進撃が始まった。前半戦に打率.270、22本塁打、62打点、OPS.839の活躍を見せ、オールスター・ゲーム初選出。後半戦は失速したが、新人では史上4人目となる30本塁打、90打点、15盗塁をクリアし、ア・リーグの新人王投票で4位にランクインした。

2022年は不動のレギュラーとして自己最多の156試合に出場し、打率.250、27本塁打、101打点、25盗塁、OPS.756を記録。そして今季は4月に史上4人目となる1試合3本塁打&2二塁打を記録するなど、打率.245、39本塁打、107打点、9盗塁、OPS.836というキャリアハイのシーズンを過ごし、自身2度目のオールスター・ゲーム選出を果たしたほか、ホームラン・ダービーにも初出場した。さらに、初のプレーオフでもここまで13試合で打率.357、8本塁打、22打点、2盗塁、OPS1.204と大活躍中。リーグ優勝決定シリーズではMVPに選ばれ、デービッド・フリース(2011年カージナルス)が持っていた単年のプレーオフの打点記録も塗り替えた。

母国キューバから日本を経てメジャーの舞台に辿り着き、2度のDFAを経てスターダムに上り詰めたガルシア。この勢いのまま、チームを球団史上初のワールドシリーズ制覇へと導くことになるのだろうか。

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