ネコ用ハンモック、木のぬくもりでニャンとも快適 揺れる、固定…1台で2役 兵庫・丹波市の製造会社が開発

木のぬくもりにリラックス-。木栄初の愛猫グッズ「ネコのハンモックベッド」=丹波市柏原町下小倉、たんばコミュニティハブ

 製材業などを手がける木栄(兵庫県丹波市青垣町桧倉)が、国産のスギやヒノキを使った「ネコのハンモックベッド」を開発した。フレームや支柱はもちろん、布も木から作られたこだわり仕様。ベッド本体をひっくり返して「揺れる」「固定する」の2タイプで使える。クラウドファンディングで出資を募っており、来年2月に販売を目指す。(秋山亮太)

 ベッドは幅約45センチ、奥行約40センチ、高さ約30センチ、重さ2キロ弱で、持ち運びしやすい。フレームはスギ、布が架かる支柱はヒノキを使い、猫が寝る布も間伐材から抽出した繊維でできている。

 スギ板は片側が緩やかな弧を描き、もう片方はしっかり接地する。上下をひっくり返すとベッドのタイプが変化。ゆりかごのように揺らせたり、出窓のような場所でも安定して置けたりと、使い分けできる。保護猫を預かる地元の施設で使ってもらったところ、猫たちが取り合うほどの人気ぶりだったという。

 企画したのは、今年入社した田仲大哉さん(28)。国産木材の需要が伸び悩む中、新たな活用策として考えた。3年前、迷子の猫を保護し、同社などが運営する施設「フォレスト・ドア」で面倒を見たことに着目。ペット用品は市場が大きく、より広い層に国産木材の魅力を伝えられると、同社では初の分野に挑戦した。

 「愛猫グッズという身近な存在で、木に触れる機会を届けることにも意味がある」と田仲さん。材料はほぼ全て木材なので、買って使うだけでおのずと森林活用につながる。「まずは木っていいなと思ってもらえれば。そこから森の現状や環境問題への関心につなげたい」とする。

 配送時には緩衝材にスギ、ヒノキのかんなくずを利用。ベッドが不要になれば無償で引き取り、森林活用により参画しやすい体制づくりも検討しているという。

 現在はクラウドファンディングのサービスを使い、「応援購入」として予約を受け付けている。関東を中心に北海道から沖縄まで、すでに90人以上から申し込みがあり、来年2月から一般販売を予定している。

 田仲さんは「木目を生かしたシンプルなデザインで幅広く親しんでもらえると思う。人も猫も、家族みんなで木を楽しんでほしい」と話している。問い合わせは同社の専用サイトから。木栄TEL0795.87.5216

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