「坪刈り」で稲の収量測る 伝統守り、生産者のつながりに

昔ながらの稲刈りの方法で「坪刈り」を行う農家ら=佐賀市久保田町(提供写真)

 佐賀市久保田町下新ヶ江地区の田んぼで22日、収穫前の稲を1坪分(約3.3平方メートル)刈り取って全体の収量を測る「坪刈り」があった。地区の農家やその家族25人が集まり、伝統の手法で計測した。

 坪刈りは江戸時代に年貢高を決めるため、全国で始まったとされる。同地区の起源は不明だが、60年分の記録が残っている。伝統を守り、生産者同士のつながりに生かそうと続けている。一般的な手法は1坪分の木枠を稲穂にかぶせて本数を計測するが、同地区ではより正確な数を出すため、9坪分(約30平方メートル)の本数を計算して1坪分の収量を測る独自の方法をとっている。

 刈り取った稲はJAさが久保田野菜集荷場で足踏み式の脱穀機や唐箕(とうみ)を使い、実った米粒にそろえた。今年は昨年よりもやや少ないが、安定した収量が期待できるという。(山田宏一郎)

昔ながらの稲刈りの方法で「坪刈り」を行う農家ら=佐賀市久保田町(提供写真)

© 株式会社佐賀新聞社