復興の願い託して・最上川さくら回廊 宮城・東松島、長井、大石田で植樹

東日本大震災からの復興を祈念して行われた「絆のさくら」の記念植樹=宮城県東松島市・奥松島運動公園子ども広場

 最上川沿いを中心に桜並木で彩り、郷土愛と自然を慈しむ心を育む山形新聞、山形放送の8大事業「最上川さくら回廊」の植樹が28日、宮城県東松島市と長井市、大石田町で行われた。東日本大震災の被災地・東松島市では「復興祈念 絆のさくら」として9年目を迎え、今回が最後となる。参加者は復興への願い、支援への感謝を苗木に込めた。

 東松島市の植樹式は奥松島運動公園であり、約100人が参加した。公園は津波被害を受けて移転整備され、多くの住民が集う場所となっている。提唱者を代表して寒河江浩二山形新聞会長・主筆(山形新聞グループ経営会議議長)が「桜がやがて美しい花を咲かせ、地域に笑顔が広がることを祈念する。植樹は今年で終了するが、山形県民の支援を思い出しながら大事に育ててほしい」とあいさつし、9年間続いた植樹活動への協力に感謝した。渥美巌(いわお)市長は「成長した桜を山形県から見に訪れてほしい。心からお待ちしている」と述べた。

 東松島市の友好都市・東根市の東海林浩司経済部長、長谷川博東松島市議会副議長、高橋宗也宮城県議が来賓祝辞を述べた。板垣正義山形放送社長が宮野森小みどりの少年団の6年村山凛(りおん)姫さん(12)に苗木に付けるプレートを贈った。渥美市長、東海林部長、長谷川副議長、高橋県議、寒河江会長・主筆、佐藤秀之山形新聞社長、板垣社長の記念植樹に続き、参加者がそれぞれの苗木の根元に優しく土をかぶせた。

 最上川さくら回廊事業は1996年に始まった。県内全35市町村と東松島市、海外版として台湾、中国、ブラジル、タイでも繰り広げている。今年の国内植樹はこの日で終了となり、21日の山形市、新庄市、庄内町の3会場分を含めて計89本を植えた。累計は国内外で延べ200カ所、5660本となった。このほか、11月にタイで植樹を予定している。

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