長崎OMURA室内合奏団が結成20周年記念コンサート レイコ・クルック西岡さんの朗読劇も

村嶋さん、大島さんに焦点を当てた記念コンサート第1部。オーケストラの演奏に合わせ合唱団が歌声を響かせた=長崎ブリックホール

 長崎県内唯一のプロオーケストラ「長崎OMURA室内合奏団」の結成20周年を記念したスペシャルコンサートが28日、長崎市茂里町の長崎ブリックホールで開かれた。世界的に活躍する本県出身の女性3人に着目し、世界平和への思いを込めたステージ構成で、約1500人の聴衆を魅了した。
 第1部は、米国で女優として活躍するなどし、現在は同合奏団芸術監督を務める村嶋寿深子さん(87)=大村市=、数多くの映画・テレビドラマなどの音楽を担当する作曲家・大島ミチルさん(62)=長崎市出身、米ニューヨーク在住=の2人に焦点を当てた構成。
 村嶋さんゆかりのミュージカル「王様と私」から「Shall We Dance?」、大島さんが手がけた「長崎ぶらぶら節」「風笛」などの楽曲を、オーケストラが情感たっぷりに演奏。ソプラノ歌手コロンえりかさん、地元の長崎居留地男声合唱団・同女声合唱団オルテンシアが歌声を響かせた。
 第2部は、特殊メーキャップの草分けである造形作家のレイコ・クルック西岡さん(88)=諫早市出身、フランス・パリ在住=が、終戦前後の体験を基につづった自伝的小説「赤とんぼ 1945年、桂子の日記」(2013年刊行)の朗読劇を初披露した。オーケストラの伴奏で、少女時代に見聞きした特攻兵の悲しみ、被爆者の苦しみ、戦争のむなしさを伝え、満場の拍手を浴びた。
 同合奏団は本県在住・出身の音楽家らを中心に03年に結成。大村市のシーハットおおむらを拠点に県内外でコンサートを開くなどしている。団員は現在34人。

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