【MLB】 空席のエンゼルス・投手コーチ職 後釜はDバックスに貢献中の元エンゼルスの名投手?

写真:エンゼルスでも活躍したダン・ヘイレン©Getty Images

先日、エンゼルスで昨年まで投手コーチを務めたマット・ワイズが、ホワイトソックスのブルペンコーチに就任することが報道された。フィル・ネビン監督の退任が決定したのに続き、エンゼルスは投手コーチも後釜を探さなければいけないことになる。

地元紙「LA タイムズ」は、エンゼルスでも活躍した3度のオールスター選出を誇る名投手、ダン・ヘイレンの招聘を提言している。

ヘイレンは現在、ダイヤモンドバックスで投手戦略コーチとして働いている。ヘイレンの仕事はDバックス投手陣から非常に高い評価を受けている。

ヘイレンは選手としても有無を言わさぬ実績の持ち主でありながら、データにも明るい。そして同じ選手目線でデータを噛み砕いて選手に伝えることができる。そのスキルが選手からの信頼を集める要因となっている。

プレーオフで好投続きのメリル・ケリーは「私は学者ではないから、名門大学の出身者(のアナリスト)が彼らの野球観を翻訳しようとしても、上手く伝わらないことがある」とヘイレンのコミュニケーション力を称賛。

ケリーのようなベテランだけではなく、若手投手からの信頼も篤い。

プレーオフでは3番手として活躍しているブランドン・ファートは「彼のおかげで毎先発、常に準備が整っている。彼は一人一人の打者に対する攻め方を分解して教えてくれるんだ」と証言する。

さらにデビュー直前にヘイレンからスカウティグレポートのデータの見方について教わったというライン・ネルソンは「彼は最高のレベルで長くプレーして、真の成功を掴んでいた。彼から学べることは本当に糧になる」と尊敬の眼差しを向けている。

フィリーズとのリーグ優勝決定シリーズでも、打ち込まれた第1・2戦のあとにヘイレンが「内角に十分に投げられていない」と提言し、攻め方を変更。それがフィリーズ打線によりボール球を振らせ、見違えるほどに抑えられるようになった一因となったという。

エンゼルスにも本格開花を目指す若い投手が多い。パトリック・サンドバルは27歳、リード・デトマーズは24歳、チェイス・シルセスは23歳。全員来シーズンのローテーション入りが予想されている。

アナハイムにほど近いアーバインに住むヘイレンが、投手コーチへの昇格という形でオファーを受ける可能性は十分にあるかもしれない。しかし、この提言をしたビル・シェイキン記者は、ペリー・ミナシアンGMの契約が残り1年であり、不安定な雇用先となってしまうことをマイナスポイントとして挙げている。

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