4連勝?接戦?それとも…どうなる「関西決戦」 願望と冷静さ渦巻く両球団ファンの勝敗予想は

盛り上がるオリックスファン=京セラドーム(撮影・金田祐二)

 プロ野球日本シリーズで59年ぶりに実現した阪神とオリックスの「関西決戦」。28日の初戦は阪神が8-0で大勝し、38年ぶりの日本一へ好発進した。試合開始直前、両球団のファンにシリーズの勝敗予想を尋ねると、願望と冷静さが入り交じり、意見は分かれた。

■「4勝0敗」勢い重視

 敵地でも熱狂ぶりが目立つ阪神ファンの多くは、やはり「阪神の4勝0敗」。堺市の自営業男性(72)は「ぶっちぎりの優勝を楽しみにしています」と自信たっぷりに答えた。

 別々の球団を応援する大阪府高石市の父娘は、ともにひいきの4連勝を願った。阪神応援歴約40年の会社員の父(46)は「勢いに乗って甲子園で胴上げを見たい」。オリックスファンで大学2年の娘(19)は「ストレートで勝って、阪神ファンの前で胴上げしてほしい」と対抗心をあらわにした。

 初戦が大きな意味を持つという意見もあった。オリックス派の神戸市垂水区の男子高校生(15)は「どっちも流れに乗ったら強い。先に勝った方が4連勝もありうる」と言う。「予想が難しい」とする大阪市西成区のアルバイト男性(55)も「チーム力は均衡している。勢いに乗った方が勝つのでは」と語った。

■「4勝1敗」個人的思い

 最も少数派だったのは「4勝1敗」。往年のファンの予想には、個人的な思いが詰まっていた。

 50年以上阪神を応援する尼崎市の建設業男性(62)は、阪神の4勝1敗とする理由を「甲子園で決めてほしいから」。1985年の日本一の瞬間は涙したという。2005年は日本シリーズ第5戦を見に行く予定だったが、岡田彰布監督が率いた阪神はロッテに4連敗し、観戦はかなわず。今回は第5戦のチケットを確保しており、目の前での歓喜を願っている。

■「4勝2敗」冷静な視点

 半世紀近くオリックスを応援する姫路市の会社員男性(56)は、先発の山本由伸、宮城大弥を軸に「オリックスの4勝2敗」と予想した。ただ、山本が日本シリーズで勝っていないという不安が初戦で的中。「京セラドームでは負けてほしくない」との思いを胸に、第2戦での雪辱を願う。

 「阪神の4勝2敗」と予想したのは、ともに阪神を応援する大阪大2年の男性(20)=大阪府箕面市=と、友人で東京大1年の男性(20)=東京都目黒区。「両チームとも投手力が高く、ストレート(4連勝)ではいかない。僅差の試合で1点を取りにいく野球が大事になる」と冷静だった。

 阪神びいきの神戸市兵庫区の男性会社員(22)は「オリックスはリーグ3連覇している強いチームなので」と実力を認めた上で、「それでも阪神が日本一になれるよう声援を送る」と話した。

■「4勝3敗」熱戦に期待

 59年前にあった阪神-南海の関西対決と同様、7戦目までもつれ込む接戦の予想も相次いだ。

 オリックスファンのデザイナーの女性(26)=大阪府寝屋川市=は「接戦になりそう。中嶋聡監督は負けても次戦で選手を入れ替え、流れを変えられる」と語る。

 阪神ファンという大阪市の女性会社員(22)は「関西ダービーをできるだけ見て、最後に阪神が勝ってほしい」と、両雄の戦いを堪能するつもりだ。(井川朋宏、小野坂海斗)

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 プロ野球のペナントレースを制した阪神タイガースとオリックス・バファローズの優勝パレードに向け、兵庫県や大阪府、関西経済連合会などでつくる実行委員会は、開催事業費を募るクラウドファンディング(CF)を行っています。11月30日午後11時まで、専門サイト「READYFOR(レディーフォー)」で受け付けます。

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