もうすぐ宇都宮餃子祭り! 食べるだけじゃない魅力を調査 プロに教わるこだわりレシピ #私の好きなとちぎ レジャースポット巡り③

来らっせ本店

 いよいよ11月3日から人気イベント「宇都宮餃子(ぎょーざ)祭り2023」が始まる。しかも、今年は、例年より1日長い3日間の開催。例年以上に盛り上がること間違いなしだ。

 宇都宮餃子といえば、各店舗や餃子祭りでの焼きたてをイメージしがちではないだろうか。実は、プロに本場の作り方を教えてもらえる場所がある。#私の好きなとちぎ レジャースポット巡り第3弾は「宇都宮餃子」作り。こだわりのレシピを学ぶため、来らっせ本店にお邪魔した。

 来らっせ本店では、事前予約制(申込人数5人以上)でギョーザ作りができる。皮作りから体験できるコースもあるが、宮っ子だけど初心者の記者たちは、皮作りはお任せし、あん作りから挑戦した。

 講師は「宇都宮餃子会」事務局の笠原新司(かさはらしんじ)営業部長(59)。ギョーザ作りの心構えは「おいしく、楽しく!」という。明るい笑顔で出迎えてくれた、笠原さんの雰囲気そのままだ。

 まずはあんの材料となる白菜、キャベツ、ニラ、長ネギを切り、ショウガとニンニクをすりおろす。宇都宮餃子は野菜と肉が7対3で、野菜が多め。歯応えが残る大きさにカットするのがポイントという。ザクザクと大量の野菜をカットしていく。宇都宮餃子に、こんなにどっさりも野菜が入っていたなんて。店舗で食べているだけでは気付けなかったかもしれない。

 次にカットした野菜とごま油などの調味料、豚ひき肉を混ぜ合わせていく。肉がピンク色から白に変わるまでしっかり練ったら、ニラ、長ネギとよく練り合わせる。水分の多い白菜とキャベツは練り過ぎずざっくり手早く。混ぜ合わせたあんは30分ほど寝かせると味がなじみ、包みやすくなるという。ショウガやニンニク、ごま油が混ざり合い、香りが食欲を刺激する。早くもおなかが空いてきた。

 いよいよあんを皮に包んでいく。全体の重さの目安は約20グラム。ヘラで皮に具を平らに乗せ、全体をヘラでなぞって皮の端まで湿らせる。これが皮と皮をきちんと付けるための“こつ”なのだという。

 次に、左手の親指と人さし指をUの形にした上に、あんをのせた皮を乗せ、指の間が体の方に向くように手首を回す。指の間から少し出ている皮の端を、右手の親指と人さし指でクイッと押さえて密着させる。ヒダを付けるのは人さし指側だけ。両側を折りたたむと、ヒダが分厚くなり、あまり食感が良くないそうだ。

 右手の人さし指を使い、等間隔で皮を折りたたみ、押さえて密着させていく。手本を見るとすごく簡単そうに見えるが、実際にやってみると指の動きが分からなくなっていくので意外と難しい。

 緊張しながら完成させた一つ目を笠原さんに見せると「うん、上手だね」と合格点をもらえた。徐々に感覚をつかみながらギョーザを包んでいく。無心になれるこの作業、ハマってしまいそうだ。

 ギョーザを包み終わったら焼きの工程へ。フライパンにごま油大さじ1.5杯ほどひき、ギョーザを並べて火を付ける。ギョーザの裏面に色が少しついた事を確認し、小麦粉を溶いた水を全体に流し入れてふたをし、強火にかける。水の量は、ギョーザの高さが3分の1隠れる程度が目安という。IHの調理器具で作る場合は、お湯を入れるのが良いらしい。

 ふたごしに沸騰したのを確認したら、中火に弱める。フライパンの位置によって、火の通り具合が違う場合があるので、時折フライパンを傾けながら、6~7分蒸し焼きにしていく。

 うまく焼き色が付いたらギョーザの上に皿を乗せ、余分な油を切りながら、フライパンをひっくり返してギョーザを皿に盛る。

 裏面が見える緊張の一瞬。笠原さんの「上出来だね」の声に、肩の力がフッと抜けたのを感じた。

 さあ、お楽しみの実食タイム。カットした野菜の大きさの影響か、シャキシャキとした食感を感じられた。肉の量が少ないかと思っていたが、しっかりジューシー。サクサクもっちりとした皮もおいしく、箸が止まらなかった。

 笠原さんは「楽しんで作って食べてもらえるのが一番。ギョーザは白菜やニラなど、家にある食材で簡単に作れるので、家でもぜひ作ってみて」と笑顔で勧めてくれた。

◆来らっせお土産コーナー

◆宇都宮餃子祭り2023

 年に一度の宇都宮餃子ファンへの感謝祭として、宇都宮餃子会加盟の店舗が出店し、食べ比べを楽しめるイベント。今年は24店舗が参加する。1皿(3~5個)で、いずれも200円で楽しめる。

日時:11月3~5日。金、土は午前10時~午後5時。日は午前10時~午後4時。
場所:宇都宮市本丸町 宇都宮城址公園

 

材料を切っていく
あんの材料を混ぜ合わせていく
あんを包んでいく
記者が包んだ餃子
焼き上がった餃子
笠原さん

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