60年に1度、円覚寺の「洪鐘祭」 北鎌倉地区で盛大な祭礼行列

円覚寺の洪鐘の張り子と八雲大神輿(みこし)が一堂に会した洪鐘祭=鎌倉市

 円覚寺(鎌倉市山ノ内)にある国宝の釣り鐘「洪鐘(おおがね)」が完成したことを祝って鎌倉時代から60年に1度行われてきた「洪鐘祭」が29日、同市の北鎌倉地区で催された。洪鐘が江島神社(藤沢市江の島)の弁財天の啓示によって完成したと伝わることから、同神社の氏子らも参加。盛大な祭礼行列を見ようと多くの人が集まった。

 円覚寺の洪鐘は1301年に鋳造され、鎌倉幕府第9代執権の北条貞時が寄進した。鋳造を試みたものの2度失敗し、江の島にこもって祈りをささげたところ成功したという。

 祭礼では弁財天のご神体が入ったみこし、竹の枠に和紙などを貼り付けて本物そっくりに作られた洪鐘の張り子をひいた人たちが行列をつくり、地域を練り歩いた。

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