栃木県茂木町の未成線「長倉線」の秋のツアー(もてぎニューツーリズム主催)が29日、始まった。「下野中川」停車場跡に設置された車掌車の内部公開など新サービスも始まった。
県内外から19人が参加。茂木駅から河井の下野中川停車場跡まで6キロ弱を、途中昼食休憩を挟んで3時間余りかけて歩いた。
紅葉が始まった里山を縫って延びる路盤跡を約3キロ進むと、ツアーのハイライトの一つ大峯山トンネル。入り口では群馬県安中市の碓氷峠鉄道文化むらを拠点に活動する鉄道まちおこし支援団体「Push Pull(プッシュプル)」の協力で汽笛の吹鳴体験が初開催された。参加者は50年以上前に製作された機関車の装置を使い、汽笛を響かせて楽しんだ。
下野中川停車場では、1962年製の車掌車の内部をツアー客限定で初公開した。プッシュプルの金子裕郎(かねこひろお)さん(32)が敷地の図面を基に想像して制作した同停車場の全景の精巧なジオラマも展示された。
会社の同僚3人で訪れた宇都宮市清原台5丁目、会社員澤井美紀(さわいみき)さん(50)は「歩くとわくわくするようなロマンを感じる。空気も昼食のおにぎりもおいしかった」と満足そうに話した。
今秋のツアーはあと2回あり、最終日12月2日催行のツアーにはまだ空きがある。
(問)町観光協会0285.63.5644。