竹野内豊、鬼才・石橋作品で主演「自分は縁ないと思っていた」

俳優・竹野内豊と山田孝之がW主演をつとめる映画『唄う六人の女』の舞台挨拶が10月29日、大阪市内の映画館でおこなわれ、主演の2人と共演の桃果、武田玲奈、そして、石橋義正監督が登壇した。

映画『唄う六人の女』の舞台挨拶に登壇した俳優・竹野内豊(10月29日・大阪市内)

メガホンをとったのは、マネキンが主演のドラマ『オー!マイキー』や山田孝之の七変化が話題を呼んだ『ミロクローゼ』(2012年)などで知られる映像作家・石橋義正。初タッグとなった竹野内は、「別作品のスタッフの方から、『ミロクローゼ、とてもおもしろいからぜひ観てください』と言われて。ホントに独創的な世界観でおもしろくて、あぁ、こういう監督とは自分はおそらく縁はないだろうと思っていたんですけど、その数年後にお声がけいただいて。新たな自分が発見できるかなというワクワク感といいますか、光栄でした」とコメント。

また、11年ぶりとなる山田との共演に、「一度戦争映画(『太平洋の奇跡 −フォックスと呼ばれた男−』)で共演をして、そのときからちょっと異質な空気感で・・・」と竹野内が語ると、山田が「スッと言うんですね。さっきはすごい言葉を選ばれてたんですけど、もういいんですね(笑)」とすかさずツッコミ。それに笑顔を見せながら、「彼が内に秘めているものは、同世代の役者さんとは違うなと現場でずっと見ていました。本当に素晴らしい役者さんだと思います」と絶賛した。

11年ぶりの共演で、お互いの印象について語る竹野内豊(左)と山田孝之(10月29日・大阪市内)

同映画は、人里離れた森の奥地に監禁された2人の男と、そこで暮らす物言わぬ6人の女性(刺す女、濡れる女、撒き散らす女、牙を剥く女、見つめる女、包み込む女)を巡る物語。亡き父が残した山を売るために生家に戻った萱島(竹野内)と土地を買いに来た宇和島(山田)は、事故で気を失っている間に身体を縄で縛られてしまう。そんな彼らの前に、森に暮らす6人の女が奇妙な振る舞いを続け、2人はなんとかその異様な地から脱出しようとする。

竹野内は、映画の見どころについて、「固定概念を一切無しにして、心の3Dメガネをかけているような感じで、この役者さん知ってるとかいう情報をナシにして、映画から入ってくるモノを心で感じてもらいたい。観るというよりも、心の目でとらえていただきたいなと。そういう所に意識を注目してもらえれば」とコメント。石橋監督も「どうやって人間と自然が共生していくか、それをみんなで考えていきたいと思ってこの映画を作ったので、議論のきっかけになれば」と語った。同映画は現在、全国の映画館にて公開中。

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