老舗書店の7代目が見つめる故郷の未来 「スキマ」にある可能性をチャンスに |元野木書店

福岡県飯塚(いいづか)市は、福岡県の中部に位置します。筑豊での石炭産業で発展し全国各地から多くの炭鉱労働者が移住し、福岡県内で4番目に人口が多い町です。江戸時代には長崎街道が整備され、宿場町として栄えました。

創業明治10年、140年以上続く元野木書店の7代目となる元野木正比古さん。老舗の書店の専務取締役ですが、タウンマネージャーとして地域に密着した活動にも取り組んでいます。
そんな元野木さんが、街の賑わいを創出するために同世代のメンバーと立ち上げた家守会社「スキマニヤモリ」では、市内にある商店街の空き物件のリノベーションなどに取り組んでいます。「空き店舗があれば経営をしてみたい」というニーズを拾い、人が集まる場所を少しずつ増やしています。
元野木さんのもとを訪れての「くらしごと体験」は、まちづくりに興味がある方はもちろん、リノベーションやスペース運営に興味がある方にもおすすめしたいプログラム。現場で頑張っている方たちとの出会いは刺激をもたらしてくれるでしょう。

今回体験できる内容

今回のくらしごと体験の魅力は、元野木さんと行動を共にしながら、地域のネットワークに触れて地域を知ることから始まります。飯塚の強みは何といっても「新しいことにチャレンジしたい人がいれば、一緒に盛り上げていこう」という土壌があること。

実際に活用している空き店舗物件の見学も可能です。もちろん元野木さんが書店倉庫をリノベーションした「モトノキノウエ」で元野木さんご自身のお話を聞くこともできます。

運営についての苦労話や失敗談も、まちづくりにはつきもの。根掘り葉掘り質問してみてください。

地域全体で面白くしていくことを大切に 今ある土壌に秘める可能性への着眼点を増やす

元野木さんは、もともと実家の書店を継ぐ気はなかったそうです。大学進学を機に関東で過ごしていました。その後、臨床心理士として療育の現場で働いていましたが、その仕事に限界を感じるようになったそうです。
「ちょうど仕事で悩んでいた時期と書店の後継者としての話がタイミング的に重なりました。長期休暇で実家に帰省し、書店の経営面を確認したところ、『まだやれることがあるかもしれない』と。そう感じて継ぐことを決意しました」

2016年に飯塚にUターン。
商店街にあるからこそ、できることは何なのか?

2016年に飯塚にUターンした元野木さんは、家業である書店の経営に力を注ぐかたわら、地域の商店街に賑わいを取り戻す活動に関心を持つようになります。

倉庫だった書店の2階をコミュニティスペースとしてリノベーションしました(2019年)。すると思わぬ反響があったそうです。

「ご年配の方も懐かしがって足を運んでくれるようになったんです。まちの方の話を聞くたびに 商店街が思い出の場所であると同時に、こどもたちの思い出の場所にもなりえるんだ と気づきましたね」

ずっと建物があるからこその思い出を守ってきたんだと痛感した元野木さんは、より一層意識して地域活動に取り組むようになりました。その後、同世代の仲間たちとの語らいの中から誕生したのが「スキマニヤモリ」(2021年)。商店街を中心に飯塚を面白く魅力あるまちにしようと設立した会社です。

「いま、商店街ってシャッター通りになっているところが多く、元気がないと言われてますけど、何かに挑戦したい人にはチャンスがあるんです。特に“スキマ”のスペースには、自由な可能性が秘められていると感じています。だからこそ、新しい挑戦を始めてみたい人と出会い、一緒に盛り上げていく。飯塚の熱い土壌を感じに来て下さい」

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