ラ・リーガは第11節が行われ、レアル・マドリーが敵地でバルセロナとのエル・クラシコに臨み、2-1で勝利して首位をキープした。
公式戦255度目のエル・クラシコはマドリーのニューヒーロー、ジュード・ベリンガムによって決着がつけられた。
マドリーは前半早々の6分にインターセプトのこぼれ球をイルカイ・ギュンドアンに沈められて先制を許す。先制された後も押し込まれる時間が続き、この日右ウイングで先発したジョアン・カンセロやフェルミン・ロペスなどバルサの攻撃陣にチャンスを多く作られるもアントニオ・リュディガーを中心とするバック陣がなんとか耐えしのいだ。
開幕から調子良く得点を重ねていた攻撃陣も前半は冴えていなかった。ここ最近調子を上げてきたヴィニシウス・ジュニオールにボールを集めてチャンスを作ろうと試みるも、ヴィニシウス対策で右サイドバックに配置されたロナウド・アラウホに完璧に潰された。ロドリゴもうまくゲームに馴染めず、ベリンガムも前半は停滞した。
エンドが入れ替わった後半、レアル・マドリーのカルロ・アンチェロッティ監督は早めに手を打つ。52分にエドゥアルド・カマヴィンガをフェルラン・メンディに代えて投入。その5分後の57分にカマヴィンガのパスからトニ・クロースが、この試合チーム初の枠内シュートとなるミドルを放つ。
このシュートで攻めのきっかけを掴み始めたマドリーは徐々にペースアップ。63分にルカ・モドリッチを投入してからテンポよくボールも回せるようになり、自分たちのサッカーを展開していく。
そして68分、コーナーキックのこぼれ球を拾ったベリンガムが驚愕のミドル弾。バルサファンを絶句させる一撃で試合を振り出しに戻す。
ベリンガムはボールを受けにいくシーンや得意の裏への抜け出しなど前でのアクションが多く見られ、チームの攻撃の起点となった。その動きが実ったのが後半もアディショナルタイムに突入した92分だった。
リュディガーからボールを受けたダニエル・カルバハルが中央へクロスを入れると、スペースへ入ってきたルカ・モドリッチが反応。モドリッチは自分の前でトラップを試みるもタッチが大きくなりボールは奥へ。そこに絶妙なタイミングで走り込んだベリンガムが合わせ、ゴールネットを揺らしバルサファンを黙らせた。
残り時間の猛攻を耐えきったマドリーは、エル・クラシコで貴重な勝ち点3を獲得した。
ベリンガムに救われたマドリーは勝利したものの、前半の戦いぶりを見て見ぬ振りはできない。前述の通りヴィニシウスはアラウホに完全に封じられ、ロドリゴは存在感がなかった。前半はバルサを上回る5本のシュートを放つも全て枠外。苦しい展開が続いた。
攻撃が“ベリンガム依存”になりつつある今、前半のような局面を打破できる力をつけるべきだろう。そうすればここまで苦しい展開にはならなかったはずだ。守備に関しては失点はしたもののそこまで重大な課題があるわけではなく、むしろ安定しているように見えた。攻撃陣の課題を改善して次節以降に繋げていきたい。
一方、劇的逆転負けを許したバルサは痛い敗戦ではあったものの内容は決して悪くなかった。前半は早々に良い形で先制し、フェルミンを中心として攻撃を組み立てていた。中盤で起用されたガビも守備の面で大きく貢献していた。
その分、後半の両ウイングの停滞は非常に痛かった。途中でロベルト・レヴァンドフスキ、ハフィーニャ、ラミン・ヤマルを投入したものの決定機を決めきれなかった。
守備は大健闘と言っていいだろう。イニゴ・マルティネス、アンドレアス・クリステンセンが安定してチャンスを作らせず、球際での勝負強さも光った。失点の場面に関して言えばボールに寄せきれない部分もあったが仕方がない面が多かった。
全体的に見ればこの日はチームとして十分の働きだったと言える。それだけに、勝ちたい試合だった。
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リーグ戦はまだ序盤。現在首位のマドリーもまだ決して油断はできない。今年のラ・リーガも目が離せなくなりそうだ。