南&千葉弾で連勝なでしこが首位通過に近づく! 両者思惑合致で15分以降は両者シュート0に日本の保持率ほぼ100%の異例内容に【パリ五輪アジア2次予選】

南萌華(ローマ)の先制弾含む15分までの2発で早期決着[写真:Getty Images]

なでしこジャパン(日本女子代表)は29日、パリ・オリンピックのアジア2次予選グループC第2戦でウズベキスタン女子代表と対戦し、2-0で勝利した。

ウズベキスタンでの集中開催となる今予選で、なでしこはインド女子代表との初戦を7-0の圧勝でスタート。連勝を狙うこの一戦では実質ホーム開催で、代表OBである本田美登里監督が率いるウズベキスタンと対戦した。

日本は引き続き[4-3-3]のシステムで臨むも、高橋はなと熊谷紗希を除く先発9人を変更。GKに山下杏也加、4バックは清水梨紗、高橋、南萌華、遠藤純。中盤は林穂之香、熊谷、長野風花。3トップは宮澤ひなた、清家貴子、千葉玲海菜という形となった。

開始直後にボックス左に抜け出した千葉が1分も経たずにファーストシュートを記録。キックオフから一気呵成の攻めを見せたなでしこ。しかし、4分には相手が狙うロングカウンターを浴びてボックス左に抜け出したクドラトヴァにGK山下が交わされてニアのサイドネットを叩く決定機を許す。

これで気を引き締め直した日本はリスク管理を意識しつつも、相手を押し込んでいく。すると10分、左CKの場面でキッカーの遠藤が左足アウトスウィングで入れた正確なクロスをファーで競り勝った南がピッチに叩きつける打点の高いヘディングシュートを決めた。

幸先よく先制したなでしこは畳みかける。続く15分にはボックス手前でボールを持った遠藤がボックス左のスペースを窺う千葉の足元へパスを通す。ここで千葉は対峙したDFを抜き切らずに左足を振ると、DFにディフレクトしてループシュートの形となり、これがGKの頭上を越えてファーポストに吸い込まれた。

遠藤がいずれも演出した2ゴールによって一気に2点のリードを手にした日本。ここで一旦試合のテンポを落とし、相手の出方を窺う形に。ただ、最終節での勝ち上がりに向け大量失点はしたくないウズベキスタンは、自陣にひきこもる形で後方のボール回しに対して全く圧力をかけてこない。

対するなでしこは2点目を奪った直後こそ両サイドバックも高い位置で攻撃に絡む形で3点目を目指したが、勝ち上がって以降の対戦カードを考慮したか、相手の戦い方に“お付き合い”する形でアタッキングサードでもリスクを冒さない、省エネモードの戦い方にシフト。前半20分過ぎからは最終ラインと中盤でボールを出し入れし、ほぼ100%に近いボール保持で時計を進めていく。結局、両者の思惑が合致する形で、前半はこのまま戦況が動くことなく終了を迎えた。

迎えた後半、日本は林、長野を下げて猶本光、中嶋淑乃をハーフタイム明けに同時投入。この交代で中嶋が左ウイング、宮澤がインサイドハーフにポジションを変えた。

後半の両者の戦い方に注目が集まったが、前半と戦い方を全く変えず。日本は前半に比べ、相手の深い位置までボールを運んでいくが、ゴールやシュートはご法度。深い位置に運んだ後はバックパスでやり直す形に。

その後は63分に熊谷、高橋を下げて長谷川唯、三宅史織を、83分には清家に代えて杉田妃和を投入。各自のコンディションを考慮した采配で試合をクローズにかかる。

そして、後半は互いにシュートなしでタイムアップを迎え、異例の内容の試合を勝ち切った日本が2連勝でグループ首位通過に大きく近づいた。

なお、第3戦は11月1日にベトナム女子代表と対戦。19時からNHK BSで生中継される。

なでしこジャパン 2-0 ウズベキスタン女子代表
1-0:10分 南萌華
2-0:15分 千葉玲海菜

◆なでしこジャパンメンバー
GK:山下杏也加(I神戸)
DF:清水梨紗(ウェストハム)、高橋はな(浦和L)[→63分 三宅史織(I神戸)]、南萌華(ローマ)、遠藤純(エンジェル・シティ)
MF:林穂之香(ウェストハム)[→HT 猶本光(浦和L)]、熊谷紗希(ローマ)[→63分 長谷川唯(マンチェスター・シティ)]、長野風花(リバプール)[→HT 中嶋淑乃(S広島R)]
FW:清家貴子(浦和L)[→83分 杉田妃和(ポートランド・ソーンズ)]、千葉玲海菜(千葉L)、宮澤ひなた(マンチェスター・ユナイテッド)

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