PSGが格下ブレストに薄氷勝利…ザイール=エメリ鮮烈弾にムバッペ2発も一時2点差追いつかれる【リーグ・アン】

[写真:Getty Images]

リーグ・アン第10節、スタッド・ブレストvsパリ・サンジェルマン(PSG)が29日にスタッド・フランシス・ル・ブレで行われ、アウェイのPSGが2-3で勝利した。

リーグ2連勝中のPSGは、ミッドウィークに行われたチャンピオンズリーグ(CL)のミラン戦でも3-0の完勝。良い流れで今回のアウェイゲームを迎えた。ルイス・エンリケ監督はミラン戦から先発5人を変更。マルキーニョスとウガルテ、ヴィティーニャ、デンベレ、コロ・ムアニに代えてダニーロ、イ・ガンイン、バルコラ、ファビアン・ルイス、ゴンサロ・ラモスを起用。4人のアタッカーを前線に配した実質[4-2-4]の攻撃的な布陣で臨んだ。

立ち上がりから相手を押し込んでイ・ガンイン、バルコラ、ザイール=エメリと連続でシュートを浴びせかけたアウェイチーム。その一方で、守護神ドンナルンマを中心に課題のビルドアップのミスから続けてショートカウンターで決定機を作られるなど、バタつく場面も。

それでも、攻勢を続けるPSGは16分、左のハーフスペースから果敢に仕掛けたバルコラが中央に運んでペナルティアーク手前右のザイール=エメリに繋ぐと、短い縦への運びから見事な右足のミドルシュートをゴール左上隅に突き刺し、今季初ゴールとした。

先制後はブレストの反撃に晒されて何度かピンチを迎えるが、相手を引き込む形になったことで、得意の高速カウンターが発動。28分、自陣中央でのザイール=エメリのボール奪取から引き取ったイ・ガンインが背後のスペースへ完璧なミドルスルーパスを通す。これで背後へ抜け出したムバッペがそのままボックス内に持ち込んでDFのシュートブロックをかいくぐる右足のグラウンダーシュートをニア下に突き刺した。

この2点目で余裕の展開となったPSGだが、超攻撃的な布陣の弊害か、以降も切り替えの鈍さや守備の拙さが目につく。すると、前半終了間際の43分にはララの右サイド深くからの正確なクロスをゴール前のムニエに頭で合わせられ、点差を縮められて前半を終えた。

後半に気を引き締め直して臨みたいパリの巨人だったが、立ち上がりの52分にはデル・カスティージョの右CKをニアに飛び込んできたル・ドゥアロンに巧みなフリックヘッドでファーポストに流し込まれ、いきなり同点ゴールを決められる。

ここから慌てて勝ち越しゴールを奪いに行く展開のなか、ムバッペやファビアン・ルイスのミドルレンジのシュートでチャンスを窺う。さらに、63分にはゴンサロ・ラモス、バルコラを下げてコロ・ムアニ、デンベレとフランス代表2選手を同時投入。だが、この交代で流れを引き戻すことはできず、幾度となく相手の鋭いカウンターに晒されてル・ドゥアロンやムニエにボックス内での決定機を与えてしまう。

その後はイ・ガンインを下げてヴィティーニャを投入し、中盤をコントロールしながら勝ち越しゴールを目指すアウェイチーム。流れの中ではなかなか決定機まで持ち込めずにいたが、84分にはボックス内で仕掛けたコロ・ムアニがDFブラシエのファウルを誘ってPKを獲得。キッカーのムバッペが左を狙ったシュートはGKビゾットに止められるが、そのこぼれをムバッペが冷静に流し込み、89分の勝ち越しゴールとした。

以降の後半アディショナルタイムはムバッペを下げてムキエレと守備的な選手の投入で逃げ切りに入ったPSGは、何とかこのリードを守り切った。一時2点差を追いつかれる失態も、何とか勝ち切ったPSGがリーグ3連勝を飾った。

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